373「鳥の仏教」
チベットにつたわっていた 鳥の仏教.
仏教にもいろいろあるらしいのだが,
動物をも救う慈悲は,アニミズム的な要素のはいった仏教の特色なのか.
ブッダはこう言われた.
神々と龍と精霊と
魔物と人間の言葉を使い
すべての種類の生き物が
理解の出来るあらゆる音を用い
言葉という言葉を駆使して
わたしはダルマを説いた.
という,一節ではじまる.
基本的には前半は
「鳥のダルマのすばらしい花環」
というお経の全和訳がのっている.
仏教に触れるきかいは,とんと無くなっているが,
ちょっと,かんがえた一冊だった.
【読んだよメモ】まで.
関係ないけど,アニミズム的なのんて,ぼくは,すっと入ってきますわ.
ちなみに
鳥の仏教by中沢新一 よんでる キリスト教も仏教もdynamicなものではなく、本質的にstatic な世界に憧れる傾向がある気がする。なぜだろう!?やはり、争いある世界を前提として現れたからか?
なんてことをおもったりもした.
372「スティーブ・ジョブズ名語録」
読んでどうかというと,
元気になりました!!!
もとい,スティーブ・ジョブズの方向性と,自分自身の方向性って
重なるところがある.
部下に無理をさせるあたり・・・・・.
いろんなリーダーシップのあり方があっていい.
王道ではないと思うけど,実際の成功者でもあるわけで,
たしかにクラフトマンシップ豊かな日本人には,意外とロールモデルになる人なのかもしれない.
いい製品へのコダワリ.
やっぱり,それが世界をかえるね.
371「情報の文明学」
こういう本を読むと申し訳なくなる.
正当な評価をするのが苦手だ.
というのも,本書,情報産業や放送産業についての議論を展開した本.
50年代後半から80年代ごろの記述がつまっている.
なにが申し訳ないかというと,
書き手と読み手の時代のさなのだ.
読み手の僕自身は21世紀にいる.
情報化社会の次を見つめている立場なのだ.
この本の中でも述べられているとおり,本書は情報産業の成立をいちはやく述べたのだろう.
でも,どうしても,21世紀の今から読むと
「あたりまえじゃん」
って思ってしまう.
それが時代というものなのだろう.
でも,それで未来を語る本というのは本望であるべきでもあるのでしょう.
「ぜんぜんちがうやん.」って未来に思われてたらアウトなわけで.
370「ロボットは友達になれるか~日本人と機械のふしぎな関係」
なんとも僕自身の著書「コミュニケーションするロボットはつくれるか」と共通性を感じる一冊.
著者フレデリック・カプランはフランスのSONYでAIBOの開発にも携わったロボット研究者.
#よく見たら,僕のたった4歳上・・・・すごい.
その共通性からドキドキしながら読んだ.
僕もAIBOを出発点として書いたが,カプランも同じくAIBOを出発点として書く.
しかし,僕はあくまで開発されたAIBOを外からみた立場.
カプランは,AIBO開発を中から見た立場.
その立場の相違を超えて,みえているものの共通性が,僕自身の考えが
間違っていなかった事を多く語ってくれた.
ロボットと関係性を気付くには,ロボットが学習・成長することが必要など
強く同意する論旨が次々に飛び出す.
そして,キーワード的にもユクスキュルの環世界から,
ブルックスのサブサンプションアーキテクチャについて序盤で語るなど,展開すら似ているwww!.
しかし,面白かったのは,本書の後半7割り程度,がロボットにまつわる比較文化論に
続いていくことだ.
それは,もはやロボットを作る研究者というより,ロボットの受容過程を観察して悩んだ
工学者であり,文化論者の弁であろう.
しかし,基本的には工学者でありながら,ここまでの議論のできるカプランの幅広さには感銘を受ける.
さて,最後に,とても嬉しかったことに,
監修の西垣通先生が,「和製ロボット考ー解説にかえて」において,
「自律ロボットに正攻法で内側からアプローチしなければならない.」として
それに対する研究として,私,谷口忠大の研究に言及し,
「記号創発システム」について説明しててくださっていました.
# 良かったらチェックしてみてください!!
個人的にはホントに↓と共にお読みいただきたい一冊.
結構相補的な関係になってるのではないかと思います.
369「職場学習論」
職場の学習における調査研究を行っている.
アンケート調査などで職場の学習を明らかにしようとしているが,
一般の専門書というよりかは,
論文集的な体裁だろうか?
専門外の人にはすこし読みにくいかな.
私自身,ちゃんと追えたわけではないが,
最終的に得られた結果には,「驚くべき結果」というのは
感じられなかったが,
こういう職場の学習についてのリサーチなどをしようとする人が
方法論を学ぶには良い本であろう.
368「かくれた次元」
名著.
コミュニケーションについての本である.
しかし,徹底して言語的コミュニケーションのお話はまったく出てこない.
そう,本書はプロセミックスつまりは,空間や距離のとり方についての
ノンバーバルなコミュニケーション,認識についての本である.
はじめに動物の距離のとり方の話から入り,
人類へと進化以前から体に染み込んでいる距離に関する反応を示してくれる.
ここは,動物行動学,比較認知科学といったところか?
其の次は,混み合いが種の死亡や出生率などにどう影響するかといったような
人口論的なはなし.
そして,人間の心理的な話へとすすみ,
さらに文化間の比較へといく.このあたり異文化コミュニケーションな感じ.
「生体の間の距離」というひとつ軸を縦軸にすえながら,
どんだけ,深いんだ,という....
是非読んでいただきたい,好著ですね.
367「心のありか」
心はどこにあるのか?
広範な問いとなると思うが
本書は 因果性 を問題にしつつ
「物理主義を乗り越えよう」とする.
物理主義とは 換言すれば 心は物理的な事象からできている
という話である.
どうも,筆者の出発点は心に対する素朴な実在感にあるきがする.
多分,哲学的なアプローチとして一つのアプローチなのだと思うが
こころというものを捉える時のアプローチを自分なりに尖らせてきた
自分としては,領域が変われば,ずいぶん論点が異なるものだなぁ
とおもわされたのです.
そして,この論争の先に何があるのかもよくわからない・・・.
一度,議論してみたい...
366「ポジティブチェンジ」
うーん.
ちょっと,分かりにくい内容でした.
ヒューマンバリュー社がだす,ファシリテーションのシリーズなのです.
363「フューチャーサーチ ~利害を越えた対話から、みんなが望む未来を創り出すファシリテーション手法~」362「オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~」
の方が私的には分かりやすかった.AI はアプリエイシティブ・インクワイアリーの略で相手を認めながら質問するような手法のこと.コーチングみたいな,話なのですが,それを軸に据えながら,組織を改善する手法について語られています.
しかしながら,この本を読めば,その知識に基づいて ファシリテーションが行えるマニュアル・教科書なのかと言えば,それはちょっと無理っぽい.
むしろ,AIのアプローチの宣伝のような,キライをうけました.
読み手がどうファシリテーションすればいいのか?どういう企画をたてればいいのか?を学ぶのは少し難しいでしょう.
オープンスペーステクノロジーは,まだ,「こういうふうにやればいいのかな?」というのがわかるのですが,こっちは厳しいように思いました.
また,横文字の誤用がすごく多く,不必要に,分かりにくくなってしまっているようなところも見受けられました.
コミュニケーションの場づくりの手法は自分でも研究していて語るのが難しいのはわかるのだが,もう少し,開催者にとって分かりやすい物になっていればよかったのにとおもう.
365「ドラッカー名著集4非営利組織の経営」
え?決して「もしドラ」のアニメが始まった影響でよんだわけじゃないですよー.
やだなぁ.(*´Д`)つ
さて,NPOや教会,学校など.非営利組織の経営・・・マネジメントにターゲットを
しぼって,書かれた本.
相変わらずのドラッカー節がはっきされるわけだが,
私自身,いろいろ振り返ると非営利活動に貢献している.
マンションの管理組合や,町内会と,本職の大学などをのぞけば
などだろうか.
とくにビブリオバトル普及委員会の文脈で,勉強させていただいた.
実体験をともなって分かることだが,営利団体とは異なるマネジメントが
非営利組織には必要になる.
それは,より「使命・ミッション」の必要性や,ボランタリーに参加する人々を
わくわくさせること.を求める.
そして,リーダーの人格は余計にもとめられるのだ.
とはいえ,営利だろうが,非営利だろうが,ドラッカーの本質は変わらない.
一貫した教えを,すこし,非営利の事例や文脈によりそわせて,
噛み砕いたというような内容だと思う.
ドラッカーの言葉は噛み締めると味がでる.
参考に運営をすすめていきたい.