332 メディア・コントロール ―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)
集英社
売り上げランキング: 14111
入門の入門
自明の理・・・偽善者は誰か?
戦慄のド迫力の平和論考と言えよう。どこを読んでも切れ味抜群!!
メディアリテラシー
「そして,民主主義のもう一つの概念は,一般の人々を彼ら自身の問題に決してかかわらせてはならず,情報へのアクセスは一部の人間のあいだだけで厳重に管理しておかなければならないとするものだ.」
ざっくり差し込んでいる.
ノーム・チョムスキーといえば生成文法で有名な言語学者.
それが,メディア批判とはどういうことか?
と思ったが,納得いった.
あまり知らなかったが,知識人としてこういう批判を長くやっているらしい.
民主主義社会における.メディアの言語活動やそれに基づいた大衆誘導はウヴェ・ペルクゼンの
でも,指摘される.
チョムスキーは,大衆誘導の仕組みを赤裸々に指摘する.
よく考えると言語学とマスメディア批判は言語活動を軸として,接点が大きい.ということか.
チョムスキー談
「二大政党といっても財界という党の二つの派閥に過ぎない」
納得である.
投票に行ったら,民主主義国家の一員として施政側にコミットしていると考えるのは,現実のダイナミクスを理解できていない.
それで実現される民主主義とは,結局冒頭のチョムスキーの語るものにすぎないだろう.
第二次大戦でアメリカが日本に勝ったのは,
「情報」に対する取得能力,操作能力が圧倒的に卓越していたからだと思う.
0044 戦争と情報
現代でもメディアを通した情報戦は続いている.
情報人材として,改めて思う,せめてもの救いは
ブログやyoutubeのようなメディアは,これまでのようなメディアコントロールを困難にする・・・.
それが,ホントの民主主義社会の構築に向かうエンジンになってくれることが期待される.
多分,情報革命の真の成果は政治の革新にあらわれる.
とりあえず,一読をオススメする.
# ちょっと「穴」な一冊でした.