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314 小沢革命政権で日本を救え

2010-07-06  (tue)|カテゴリー:

小沢革命政権で日本を救え
副島 隆彦 佐藤 優
日本文芸社
売り上げランキング: 207
おすすめ度の平均: 4.0
5 日本政治の現在底流を独自の視点で照射し警鐘を鳴らす
5 選挙にむけて
4 官僚と政治家(小沢民主党)の闘いを視座に裏(真)の動きを読み解く憂国の対談
5 物事を多角的に見る事の難しさを教えてくれる
4 今、最も気になるふたりによる、あっと言う間の250ページ。

 

 

最近,元気に文筆・言論活動を展開されている元外務相の佐藤氏と
陰謀論の大家(?)副島氏の対談.
世界のすべての政治をロスチャイルド vs ロックフェラー家の二分論で議論する.
# 結局,二大政党制とかそういうこと?

マス媒体が気持ち悪いほど小沢批判一色になる中,
「じゃぁ,なぜ小沢がこれだけの議員と議席を確保できているのか?」
「民主主義って何だ?選挙より少数のメディア論壇の物の見方のほうが【世論】なのか?」
という,疑念というか懸念というか,気持ち悪さを感じてきた.

マスメディアの偏向的な報道によって「いじめ」のような空気の支配が日本全土を覆うのが,最近の日本人の主体性のなさとつながって,気持ち悪い民族性を感じてしまうことが最近多いのだ.

 

そんななか,副島氏が前著で「がんばれ小沢,日本を救え,小沢しか居ない!」
的なことを書いていたので,ちょっと興味を持っていた.

ちなみに,個人的にはまったく小沢さんを応援していないのですが・・・.

その,小沢がんばれとはどういうことか?
詳しくは本書なのですが,
ざくっといえば,

日本が官僚機構の暴走の元に動いていて,官僚の向こう側には戦後,アメリカからの
ジャパンハンドラーズと呼ばれる人たちを経由した操作がずっっとあると.
このあたりは,教科書以外の他の多くの書籍でも語られていることで
いいであろう.
戦後日本の改革は,アメリカからの「要求」に基づいてなされる事が殆どであった.
また,それにそぐわない政権はロッキードしかり,アメリカ側(政府とは限らない)
からの「仕掛け」で外されたりしたという.

副島氏曰く,直近では(故)中川昭一氏の泥酔会見すら,仕組まれたことだったとか・・・.

で,その官僚機構に取り込まれずに,政治家として権力をしっかりコントロールし胆力をもって改革でいる政治家が小沢だというのだ.

 

なんとなくわかる.

 

 

とはいえ,脱官僚体制は大化の改新以来の,日本の政治体制の変遷をみても
かなり大きなシフトな気がするので,長期的に痛みを伴うだろうなぁ・・・・と.
その変革のプロセスで,独裁,全体主義的フェーズを経なければ良いが・・・,
と思う.

 

小沢さんは,強いんだけど,どうも「周りを封じ込める」強さを持っているのが懸念.
そのくらいの強さがないと改革できないのかもしれないけど-.

 

 

 

ただ,本書を読んでいて,二人が鳩山氏を褒めだしたところから
ある意味,僕の本書への信頼が瓦解する.

二人曰く,鳩山氏はスタンフォードで博士号(専門はオペレーションズ・リサーチ)までとっているから,本当に頭がいい.(ここまでは良い.)

その論拠に行くんだが....

 

なぜなら・・・・

p.121
副島「オペレーションズ・リサーチの基になった「マルコフ連鎖」というのは,「多変量解析」のことですよね.」
佐藤「そうです.多変数解析です.」

断言するなよ・・・・.イミフだ・・・.
理系からみれば,ナンセンスなボケに,ツッコミなし.
# 注)副島さんの発言部分は,誤りまくりです.三重くらいに間違ってます.ツッコム気力なし・・・ マルコフ連鎖はORの基にはなってない・・・ハズ.

基本的な確率モデルだから,オペレーションズ・リサーチにも使うんだろうが・・.マルコフ連鎖と多変量解析はあまり関係がない.

 

p.123
佐藤「(前略(鳩山さんにとっては),そこと比較して「よりましなシナリオ」を選択することが最適解だという発想なのです.)
副島「「意志決定(デシジョンメイキング)の最適化(マルチマライゼイション)」ということですね.」
佐藤「そうです」

マルチマライゼイションってなんだ!!??聞いたことがねえ!
オプティマイゼーション(optimization)かマキシマィゼーション(maximization)だろ-.
そして,ツッコミなし・・・orz.

 

忙しい二人の対談をだれか編集の人がまとめただけかもしれないけど,
こうも明らかなボロが残っていると,自分にとって新規の知識だった
内容にも疑念がうまれるのです.

 

枝葉末節と思われる方がおられるかもしれないけど
こういう部分が二人の「鳩山はよい」という論拠になっているのです.
じゃあ,その論拠の部分についての知識が曖昧なんだったら,
いったいその論拠はどうなんだと・・・・.

象徴的なのは佐藤が

「鳩山さんは,博士号を持っているから,ラウンドディーつまり偏微分がわかる人間なのです
偏微分的発想で政治をしている.」

というように述べるあたり.
博士号と偏微分が結びつけられてしまうあたりが悲しすぎる・・・.
学部1回生の内容ですから・・・.

そして,多変数の内一変数を動かした時の変化(偏微分)がわかるっていうのが
「すごいこと」のように思っている人が,世の中を動かしているなら,切ない.

偏微分的発想ってなんだよ・・.

偏微分は経済学にだって出てくるし,一般教養だと思いますよ・・.
なんか,ラストに向かって,ちょっと切なくなってしまった

でもよく考えたら,文系出身で政治家や言論活動の場にいる人って
偏微分もわからなければ,回帰分析もわからなかったりするのか?
うーーーーーーん.まじかー?

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