368「かくれた次元」
2011-05-16 (mon)|カテゴリー:|
名著.
コミュニケーションについての本である.
しかし,徹底して言語的コミュニケーションのお話はまったく出てこない.
そう,本書はプロセミックスつまりは,空間や距離のとり方についての
ノンバーバルなコミュニケーション,認識についての本である.
はじめに動物の距離のとり方の話から入り,
人類へと進化以前から体に染み込んでいる距離に関する反応を示してくれる.
ここは,動物行動学,比較認知科学といったところか?
其の次は,混み合いが種の死亡や出生率などにどう影響するかといったような
人口論的なはなし.
そして,人間の心理的な話へとすすみ,
さらに文化間の比較へといく.このあたり異文化コミュニケーションな感じ.
「生体の間の距離」というひとつ軸を縦軸にすえながら,
どんだけ,深いんだ,という....
是非読んでいただきたい,好著ですね.