342「交易する人間」
2010-12-10 (fri)|カテゴリー:|
モースの贈与論を下敷きにしつつ,コミュニケーションに加え贈与や交換といった行為も含めて「交易」と,とらえ,議論する.
先に,同メチエシリーズの「愛と経済のロゴス」を読んでいたので,モースの贈与論は大体わかるかんじだった.
となると,この「交易する人間」で今村仁司が新たに論じたかったのかが,僕にはイマヒトツよくわからなかった・・・.
読解力のなさだろう.
ただ,贈与と交換,とくに市場経済を区別する中で,いわゆるドライな経済で,抜け落ちてしまう項がある,というのを再び意識するぶんにはよかった.
たとえば,それは,マウリ族の ハオ だ.
贈り物と共に移動する空気のようなもの?ハオ.
交換,貨幣経済になった後も,うっすらと残っている,それは,私たちの社会を微妙に支配している.
政治献金なんかもおおいに,これかもしれないな.
「交易」として言語的なコミュニケーションと経済的なコミュニケーションを重ね合わせる視点は,僕自身が多種体間協調を言語的なものから,貨幣的なものへと広げていっている視点と重なり,興味深く思った.