[409]舟を編む
2012-12-28 (fri)|カテゴリー:|
本屋大賞一位だと,後にしりました.
小説です.
辞書を作る人達が主人公です.
さて,僕がこの本を知ったのは
僕が研究のなかで記号接地問題や,記号創発システムについて語るときに
「辞書では言葉の意味を定義しきれない」
という事をよく言うのですが,
これは,古典的人工知能における意味ネットワークやオントロジーへの
批判的考察としていいます.
たとえば↑のような感じです.
こういうことを話してると,
「辞書作ってる人も,そのあたりの葛藤は当然もっているので,その人たちの気持ちもくむべき」
というツッコミをいただいて,それはそうだと思っていたのでした.
で,「舟を編む」って本が面白いよと,すすめられたのでした.
文体は文学作品というよりかは,ラノベっぽい軽い書き口で,
僕としてはそれほど読みやすくは無かったのですが,
引き込まれるのは,何回か話しの視点が変わるんですね.
最初主人公の視点が,次は他のメンバーに変わる.
そんなことで,辞書の完成に至る長い道のりが,いろんな人の視点から描かれて
最後には,辞書が完成する.
それほど,引きこまれていたわけではないのに,
最後はウルッときてしまったのは,ある意味でしめがベタなのですが・・・・,
辞書作り という独自の世界を切りとったという意味で,面白い本だと思いますね~.