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375「文明の生態史観」

2011-07-05  (tue)|カテゴリー:

以前の講演で山極先生が言及されていたので読んでみた.

ちなみに,僕は,どうも,生態系(エコシステム)や生態史というものには
興味があるらしい.

1960年代の著作だが
世界史というものに,新たな視点を与えようとする一冊.

さてさて,
本書は,体系だって記述されているかというと,そうでもなくて
ご本人が仰っているように,小論を集めた形になっている.

基本的には西ヨーロッパ文明と日本文明を第一文明として,
その間の地域を第二文明として,その並行性から読み解くのが
梅棹忠夫の生態史観の骨格構造.

ある種非常に強いシンメトリー構造をもって見ている.

梅棹先生の業績等,僕は門外漢でよく知らないのだが,
実際には,ご本人は本書の中で論じられているアラブ地域には
ほとんど足を運んだことは無いらしく,
そのあたり,どうなんだろう?とおもったりもした.
また,東南アジアについては,ご自分の足で歩かれたので詳細.
# ・・・ということは,行ったことない場所については・・・,と邪推もしてしまいますが,,,,

また,僕は,想像力豊かに過去の成果を評価するのが苦手なのですが
本書の書かれた時期が1960年代であることを考えると
かなり急進的な考え方だったのだろう.

ちなみに,個人的には
生態学的な文明観としては
ジャレ・ド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」などがお好きです.

 

[ビブリオバトル] 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
http://www.youtube.com/watch?v=iEwnZjuioQE

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