370「ロボットは友達になれるか~日本人と機械のふしぎな関係」
なんとも僕自身の著書「コミュニケーションするロボットはつくれるか」と共通性を感じる一冊.
著者フレデリック・カプランはフランスのSONYでAIBOの開発にも携わったロボット研究者.
#よく見たら,僕のたった4歳上・・・・すごい.
その共通性からドキドキしながら読んだ.
僕もAIBOを出発点として書いたが,カプランも同じくAIBOを出発点として書く.
しかし,僕はあくまで開発されたAIBOを外からみた立場.
カプランは,AIBO開発を中から見た立場.
その立場の相違を超えて,みえているものの共通性が,僕自身の考えが
間違っていなかった事を多く語ってくれた.
ロボットと関係性を気付くには,ロボットが学習・成長することが必要など
強く同意する論旨が次々に飛び出す.
そして,キーワード的にもユクスキュルの環世界から,
ブルックスのサブサンプションアーキテクチャについて序盤で語るなど,展開すら似ているwww!.
しかし,面白かったのは,本書の後半7割り程度,がロボットにまつわる比較文化論に
続いていくことだ.
それは,もはやロボットを作る研究者というより,ロボットの受容過程を観察して悩んだ
工学者であり,文化論者の弁であろう.
しかし,基本的には工学者でありながら,ここまでの議論のできるカプランの幅広さには感銘を受ける.
さて,最後に,とても嬉しかったことに,
監修の西垣通先生が,「和製ロボット考ー解説にかえて」において,
「自律ロボットに正攻法で内側からアプローチしなければならない.」として
それに対する研究として,私,谷口忠大の研究に言及し,
「記号創発システム」について説明しててくださっていました.
# 良かったらチェックしてみてください!!
個人的にはホントに↓と共にお読みいただきたい一冊.
結構相補的な関係になってるのではないかと思います.