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358 「きめ方」の論理 社会的決定理論への招待

2011-03-21 (mon)|カテゴリー:



「きめ方」とは,みんなの意見があったときに,よのなかの決定をどう決めるかという

「決め方」のこと.

 

社会的決定理論の名著.

# というか,この手のネタでは,誰にきいても,この本がとりあえず挙げられる?

 

社会的決定とは,例えば会議での議決や,投票による決定など,集団で決定することを意味する.

そこでは,もちろんそれぞれの考え,選好順序,ザクっというと好き嫌いの順番を まとめあげて

組織としての決定にしなければならない.

 

そのときに,どうやってきめます?

・多数決?

・全会一致?

・最も反対のすくないもの?

 

これらがいずれも「絶対に正しいやり方」ではないことが知られている.

また,自然な意思決定法をとっても

みんな AよりB がいいとおもっているのに,結果的にはBのほうがAより良いと

結論づけられてしまうことがあるなどという,パラドックスもしられている.

 

社会的決定理論の研究を俯瞰しながら,それに閉じることなく

ゲーム理論や格差のについての理論(ジニ係数)などの話になめらかにつなげていく.

 

学問の繋がりも見えて,

「へー,そうつながるのか~」

 

と読み進められる本.

 

ソフトカバーの縦書きで,読みやすくさらっと読めるのかとおもいきや

数式(というか論理式)が盛りだくさんで,なかなか,斜め読みではキツイ

たまにはノートを開いて思考練習することも必要だろう.

 

個人的には,横書きの教科書としての方が読みやすいかな?

と思った作品.

 

きっと,研究室の勉強会の題材などにすると,味わい深いのだろうと思いました.

 

正直,一回ざーっと読むだけでは,理解しきれなかったと思う.

また,折をみて学びたい学問である.

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