281 人を動かす
創元社
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すごい本です
人生にとって大きなヒントを与えてくれる
この本に出会えたことに感謝
「ほめる」という行為
戦前に書かれた本だというのに,
今読んでもまったく色あせない.
というか,「人間」というのは本質でいつまでの変わらないし,
それを突き動かす欲動の原理というのは普遍的なものなのだということが
よく分かった.
D.カーネギー は 今でさえ「ビジネス書」というよく分からないカテゴリで扱われるようになった「人生論」「自己啓発」本のはしり というか 古典.
現在では,コヴィーの「7つの習慣」が一つの金字塔ではあるが,
カーネギーの本を読むと,その源流がわかるようで,
コヴィーが そこまでオリジナルでも無い事が分かる.
ある意味で,
「原則を言って,多くの具体事例でその原則をサポートする.という運び方」
「科学的事実を偏重せず,人間の本性を大切にする」
というあたりが,非常に共通している.
人を動かす 意外にも何冊かあるんだが,とりあえずコレを読んでみた.
コヴィーもそうなのだが,カーネギーもそうで,
西洋的個人主義ではなく日本的関係主義的なところがにじみでる.
「議論を避ける」
「人のあやまりを指摘しない」
など,議論をよしとするアメリカの風土とは,まるで相容れないものかもしれない.
逆に,日本的なのかもしれん・
本書でも人間関係論のホーソン実験などにも触れられており,
みな仕事のパフォーマンスが決して金銭報酬などではなく,
にこやかな人間関係の上に成り立つことを認めている.
科学技術の立場にあれば,「議論」をすることは 必須だが,
「議論」が 人をやりこめる ことに終始してしまっては,やはり
非生産的だ.
セマンティックな存在としての人間として,社会人として,ビジネスマンとして,意義深い本だ