318 メディア・ビオトープ メディアの生態系をデザインする
紀伊國屋書店
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独創的で芸術性の高い書物
メディア・ビオトープってなんぞ?
メディアの生態系ってなんぞよ?
某室蘭工業大学のS先生に,誘われて某学会のメディア・ビオトープというオーガナイズド・セッションでビブリオバトルについて話させてもらった.
そこでS先生が語っておられた,メディア・ビオトープの概念が,とても,しっくりきたので,原著的なものをあたってみた.
メディア・ビオトープはメディアをビオトープ,つまり,植物(動物も含むけど)の生態系にたとえる,隠喩だ.
日本のメディアは,本の数本の巨大メディアとしての巨木がそびえ立ち,
下草が生えない人工林になっている.
自然の生態系は多様な木々や雑草,下草が生えているビオトープの状態にある.
メディアについても,市民的なメディアや,ラジオ,地域のつながりなどで,より多様性のあるメディアが育っているべきだし,現状はおかしいよね!?
というような話がある.
コミュニケーションにおけるローカルとグローバル,そこにおける双方向性や場作りといったことに,ここ数年間,悩んでいた身としては,結構,納得いく,隠喩であった.
特に,ソリューションを与えてくれる訳じゃないけど,
書いてる本人が「スケッチブックみたいなモノ」といっているので
それでいいのだろう.
先のOSでは勢いで
「ビブリオバトルはメディア・ビオトープの中のたんぽぽ程度のものです.
ぼくはたんぽぽを作っています」
といっちゃったんですが,
われながらナカナカいいことを言ったと思う.
巨大メディアを牛耳ったりすることには興味はない.
下から,かき回すことを楽しみたい.
さてさて,S先生のメディアビオトープの企みは,どのように進んでいくのか・・・.