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[407]生き延びるためのラカン

2012-12-23 (sun)|カテゴリー:

 

 

夏休みに読んではいたけど,
ここに書くのを忘れてました.
と,そういうことです.

この夏休みは,構造主義における精神分析の大家ラカンの思想を読み解こうと
様々な和書に手をだしてみていた.

 

具体的には

 

[396]ラカン (ちくま学芸文庫)

[399]現代思想冒険者たちSelect 鏡像段階 ラカン

[340]ラカンの精神分析 (講談社現代新書)

 

などだ.

本書,「生き延びるためのラカン」はタイトルからしてイロモノっぽくて敬遠していた.

しかし,答えは違うのだ.

 

この本こそ,国内で発行されているラカン本の一番の入門書であると思う.

 

現代思想家に共通しているが,また,ラカニアンの語りっぷりは特有だ.

「わざとわかりにくくしているんじゃないか?」

という節がある.

 

その点,本書はザックリしている.

自分はラカニアンではない と断言し,

専門じゃないからこそのザックリ感で説明していく.

 

それでいて,特に本質は外していないんじゃないかと思う.

 

他のラカン本の僕にとって微妙だと思うところは

・ラカンの思想,学問としてのラカン

よりも

・人物としてのラカン

に目が行きがちということだ.

ラカンのアイデアである,「大文字の他者」を始めとする概念は,

僕達の進める記号創発システムの思想からしても重要な概念である.

 

「生き延びるためのラカン」

は,言葉をかえれば

「実用書としてのラカン」

「普通の専門書としてのラカン」

という意味かもしれない.

 

お勧めです.

僕はラカンの原著は読めていないんですが,

いろんなブログの批評などを見ていると.

この本を読んでから,もう,日本語の他の解説書すっとばして,

原著に向かうのが正解っぽいです.

時間があれば,原著も読んでみたいです.

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