306 モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
岩波書店
売り上げランキング: 6858
今の時代にも驚くほど当てはまります
プレゼントに。
歩みの遅い亀が勝つ。
傑作
ずーっと,実家にハードカバーのモモがおいてあったんだが,
特に読みたいと思わず,ほっていた.
# 誰が買ったんだろ・・
地域通貨ながれで,「エンデの遺言」から,ミヒャエル・エンデの代表作 「モモ」にやってきた.
児童小説なんですが,そのバックにあるのは,完全に
「近代社会の批判」 です.
その中で,時間 と 金融 に焦点を当てているのが,「モモ」の圧倒的なところ.
多分,子供は,この裏に隠れている重みをまったく理解出来ずに読むんだろうなぁ・・.
敵(?)となる灰色の男達は,時間貯蓄銀行からやってくる.
時間貯蓄銀行に時間を節約して,その分預けると将来的には利息がつくという.
この口車にのせられ,せっせと時間の貯蓄を始める,人たち,
世の中は,激しく回り出し,みんなの余裕はなくなっていく.
本書の中でかかれているわけではないが,
時間=お金 と置き換えても,大体同じだろう.
時給換算で考えると,結局, 時間=お金という面はある.
モモはそのなかで,まったくそのような論理に組みしない,
浮浪者みたいな女の子.
この女の子が,時間におわれ青ざめていく人々を
灰色の男たちをやっつけて,解放するというおはなし.
ストーリーだけを表面的におうと,すごーく,映画向きでラストにむかって盛り上がる感じだし
こうはんは,はらはらのヒーローもの?
なんですけど,
やっぱり扱っている題材が かなり コア!
正直,最近いそがしさに追われ,子供と遊ぶ時間もあまり持てずにいる自分のことを反省せざるをえない,感じでした.
しかし,一方で,時間貯蓄銀行のような,存在,金融・利息の存在だけに
現在の行き急ぐ私達の社会に原因を帰属させて,大丈夫だろうか,という疑問はある・・・.