389「隷属への道 ハイエク全集 I-別巻」
僕の思考の中のいらだちを,見事に言語化してくれていた.
1940年そこらで,ここまでハッキリと言い切っていたのはすごいと思う.
ヒトラーのナチス・ドイツの全体主義と社会主義は同じ構造をもっている.
集産主義は自由を奪い,世の中を後退させる.
ハイエクは,自由と市場のなかに,情報処理としての機能を既に早くから
よみとっていたように思う.
自律分散システムが,中央集権的計画システムよりなぜ良いか,
その,数理的答えは まだ十分でないように思う.
# 経済学の中で一部答えはえられているが,十分ではないかと.
経済問題は経済問題として独立しえず,人権や政治の問題と,関わる.
計画経済の中において自由など存在しない.
そういうことをこの時代に指摘していたのは,素晴らしいと思う.
教育の場においても,研究の国家戦略においても,エネルギーにおいても,
やはり,社会主義的計画性をよしとするかのような向きがある.
自由と所有を保証された上での利己的行動の上でこそシステムは良くなる.
これは,人間の自律適応性を所与の条件とした上での普遍的な議論であり,
この原理を僕らはより明確にとらえ,より一人ひとりがいきいきした
社会,組織を作っていく必要があるようにおもう.
また,多くの「知識人」の中に,社会主義的計画経済への思考が潜んでいることも指摘してる.
まったくもって,同感である.
その,裏には,記号創発システム的なものとの接合部もあるように思った.
ピアジェ,パース,ハイエク と,僕の中での線がつながる日も来るかもしれない.
あんまり,いろいろ気づきがあったので,書ききれませんが,そういうことです.
全集の他のんも読んでみます.いろいろ.