[404]非選抜アイドル
僕はAKB48に関心がない.
・・・というか,むしろ敬遠している方だ.
某アカペラサークル時代始め,プロデューサー的稼業を
キャラに持つ僕としては,どうしても,AKB48の女の子一人ひとりよりも
その向こうにいる秋元康が透けて見えてしまい,純粋に楽しむことが
一切できない.
僕のアイドル史,J-POP史論評を書くと,当然にして
この記事が肥大化するので,それは避ける.
いいたいのは一つ.
僕がAKB48に関連する本を買って読むというのは異例であるということだ.
本書を買った理由は
・非選抜アイドルという視点が面白い.
・現役の低年齢のアイドルが文筆をとるというのが面白い.
・それがAmazon等で非常に評価が高い.
というあたりだ.
読んでみた感想としては,とてもおもしろい.
なんとも,清々しい.爽やかだ.
導入こそ,世の中の「非選抜」の人たちに贈る.
# 世の中で表面的に目立たない,報われない人たちに贈る
という風な書き方で,ビジネス書のようなニュアンスを
持っているが,実質的には,自叙伝,ノンフィクションである.
本人自身の感じたことを,いいところもわるいところもそのまま出しながら,
AKBに入るまでと,今までを書いている.
彼女のこれまでを追う形で読める.
また,その時系列的なストーリーに乗せながら,きちんと
・「非選抜アイドル」とは何か?
・今の時代では何が大切なのか?
・AKB48とは何か?
というようなテーマをきちっと読ませている.
正直,これが20歳のアイドルの文章としては驚いた.
本書の結論めいた部分では
「自分を育てたのは逆境である」
と,述べているし,自分が「ゆとり世代」であることを認め
だからこそ,AKB48のような競争の場が必要だったというように述べている.
無理にとは言わないが,
読んで頂いたらよいのではないかと思う.
大人の書いた,小難しい新書よりも,
より,まっすぐと今の時代を,考えさせてくれるかもしれない.