384ネットとリアルのあいだ―生きるための情報学
2011-07-21 (thu)|カテゴリー:|
引続き,西垣先生2009年の新書.
新書ということで,書きっぷりもライトに仕上がっている.
スローネットもそうでしたが,なぜか,先生やたら,今回の金融危機を
人間機械論の文脈で問題視されていますね.
僕には,そこまで,機械論的な描像が主たる問題に思えないんですが.
# 貨幣制度(金利),プリンシパル・エージェント問題 とか,言語コミュニケーションの問題
# 経済グローバリズムによるロバスト性の低下,信用とは何か?など ???
まぁ,置いておきまして,
秋葉原の殺人事件しかり
ネット上のリアルと,現実のリアルが,交錯する時代がある.
著者のとる構成主義的,ネオサイバネティクス的な視点では,現実(環世界)
とは主体の経験をとおして構成されていくもの,
これらを踏まえた上で,そのような問題を議論していく.
途中から,基礎情報学や続・基礎情報学で定義されたような言葉も飛び出してきて,
西垣本はじめての人には「なんのこと?」となるかもしれないが,
書きっぷりは,全体としてはカジュアルめだ.
逆に,これからの人は,この本などから入って,基礎情報学や続・基礎情報学を
読まれるのがいいのかもしれない.