283 大学改革 - 立命館はなぜ成功したか
はい.
自分の大学のこういう本を読むのは,ホンットに微妙です.
でもま,興味を持って読んでみました.
筆者は前理事長の川本氏.立命館の改革を断行した人です.
私が着任した時には既に辞任されていたので,直接は知らず.
立命館大学のここ10年程の変化はめざましく,
我らが南草津のBKCキャンパスの設置をはじめ,九州のAPU開設,
立命館小学校の開設など,連打で手が打たれている.
学部設置が一年に一学部という積極戦略だ.
その改革を進めて行った,川本氏がそのモットーと,過程を話すというもの.
立命館の改革の特殊な点は,事務方が中心になっている面が大きいということだ.
「教職協働」は立命館のキャッチフレーズだが,職員の馬力が強い.
そうなると,もちろん視点は日常的なものに軸足が移り,研究よりも教学の方に重点が置かれる.それは,一つのポイントだろう.
上手くは言えないが・・・.
大学を議論する際には,その特殊性を無視できない.
それは,中高のような教育機関とは意味が違うと言うことだ.
研究機関である ということであり, 研究機関であることと教育機関であることが非分離であることこそに,大学の特徴があるのだろう.
さてさて,
問題なのはサブタイトルだ
「立命館はなぜ成功したか」
こういうタイトルは編集さんや営業さんがつけるのが,出版の常なのだとおもうのですが,
これは,本書の内容からいっても,ズレがあるように思えた
「立命館はなぜ改革を断行できたか?」
のほうが適切かな?
というのも「成功した」とは何をもってそういえるのか?
がよく分からないからです.
現在の私達の大学が,なんの疑問もない「成功」の道を歩んでいるとは思わないし
内部の人間が,そんなことを思っていたら「驕り」でしかないでしょうし〜.
帯をみると
深まりつつある
「大学危機の時代」
と書いてあって,それを立命館がどう克服してきたか? というのが本書の内容になっているかのように書いてあるが,
立命館大学も例外なく,日本の大学全体を覆うさまざまな問題に晒されているし,極めて難しい舵取りを求められているのだと思う.
まぁ,「立命館は成功した」という触れ込みを ウソにしないのは, 私たちのこれからの頑張り が大切なのかもしれませんね.
はい! ガンバリマス!www (-Oー)> キリっ
ちなみに,ついでに,僕の立命館 観を述べておくと,
「国立大学が優位な日本に於けるアメリカ型私立大学モデルの実験」
であると思う.
BKCはその道を胸をはって気概を持って歩むべきではないだろうか?
ぶんぶん 2010-01-15 (fri)
この本、年末に立ち読みしました。
初めて読む人は、へえ、こんなこともあったんかと、それなりに新鮮に思う人がいるかもしれませんが、実はいままで、八っちゃんが言っていたを再編成しただけで、とくに新しい視点はなかったですね。
立命館の改革については、光と影の両方を見ておかないといけないと思います。
一定の枠内ではあるが、好きにやらせてくれるところは、いいと思いますけどね。
たにちゅー 2010-01-15 (fri)
そうですね.
この10年からの改革は事務、教学サイドをエンジンにした改革であったような,印象をうけました.
そういう意味では,研究大学としての改革は教員がエンジンをかけて進めねばならないのかもしれません.
大学が予備校や,中高と違うのは,
やはり研究と教学が両輪で回る事で「学知の園」になるからだと思います.
川本八郎を知る男 2011-03-27 (sun)
川本八郎が学生課の職員だった時の知り合いです。前理事長の川本氏.立命館の改革を断行した人です、と言うより「成り上がり」の題のほうがふさわしいと思います。草津キャンパスに移転する時、西武堤氏との談合によって泉佐野用地を放棄したことなどの土地転がしなどが一切書かれていず驚きの連続です。
これらの出発点は、国鉄(JR)湖西線の拡張による立命館の土地購入問題や学生会館封鎖に伴う土地の収益の経験から味を占めたこと。私教連の役員をしていた経験を生かして私学高校買収の方法を得たこと等々、裏表を使った手法はすべて消去されて書かれていません。
草津キャンパス移転は、西武グループとの相互利益があったことを豪語していたのに一切触れられていません。草津キャンパス移転に伴って西武グループが周辺の土地高騰に伴って巨額の利益を得たことなど書かれていません。その立役者が「俺だ」と豪語する発言は何度も直接聞きました。そのことを大学関係者が知っているのに黙して語らないのを不思議に思います。