[416]さみしさの周波数
2013-01-01 (tue)|カテゴリー:|
角川スニーカー文庫だからラノベといえば,ラノベなのだが,
ほとんど普通の小説ですね.
4本の短編が収録されている.
どれもなかなかに面白い.
ちょっと不思議のエッセンスを加えながら,
心の機微が描写されている.
一番メインなのは表紙の絵にもなっている
「未来予報」
なのだろう.
未来を予知できる友人があらわれ,主人公と女の子の未来を微妙な形で予知する.
それを信じるか,信じないか,それは微妙な話であり,
それにあわせるように,二人も微妙な関係が続く,
そののちに,結果,二人は・・・.
短編が苦手な僕にとっては,この一本を長編にしたものを
読むだけでもよかったかな,と思ったりする.
設定的にも面白い.
ちなみに,個人的には「フィルムの中の少女」も面白かった.
珍しく(?)ホラーエッセンスがあるのだが,
主人公の女の子に死んだ少女の霊がとりついている.
おもしろいのは,その主人公の一方的な会話文だけで,話が進んでいくところ.
他の描写は殆ど無いのに,それで,ちゃんと読めるあたりが雰囲気にもあってよかった.
そこまで激推しというわけではないが,楽しく読ませてもらえた本でした.