363「市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える”)」
メカニズムデザイン,制度設計が以前からずっとこころに
引っかかっておりまして,タイトルに惹かれて読みました.
ちょっと,わかりやすいメカニズムデザインの教科書or読本的なものを
期待して〜.
で,そういうものではありませんでした.
よくある,原著タイトルと邦訳タイトルのギャップ (^_^;)
原著タイトル
NATURAL HISTORY OF MARKETS
うん,こっちの方がしっくり来る.
圧政下でうまれた自生的な市場であるとか,
公共財の市場であるとか,
知的財産の市場であるとか,
ネットオークションであるとか
電力市場であるとか
実にさまざまな,市場を紹介する.
そして,その成り立ちから,成功失敗.
市場というのは,よしあし というよりは,やはり道具的なものであり
その設計の如何が世の中の鍵を握る.
僕自身も自律分散システムの制御,創発システムという視点から,市場メカニズムには
興味をもってきて,自律分散型スマートグリッド研究や,コミュニケーションの場づくり
研究のなかで取り入れているが,
そういう市場の「機能」とその道具としての設計の重要性を俯瞰するには
いい本であった.