[346]図解雑学ジェンダー
某IMさんとのメールのやりとりで 思い立ってこの夏休みに
ジェンダー思想に触れることにした.
# あと,2冊連続投稿するので,感想も一部まじっている分があります.
男女共同参画やもろもろの政策に対するフェミニズム系の論客の意見に
クビを傾げることがおおく,本当にジェンダー論やフェミニズム論の人たちは
何を考えているのだろう.
議論,論破するにも,相手の立場を知らねば,フェアでは無いということで,
手始めに読んでみました.
図解雑学というだけあって,わかりやすいと言えば分り易い.
しかし,ジェンダー論の論法はどうも.我々の作法とは違うような気がした.
基本的に,言いたいこと,結論が先にきまっていて,そこから論拠をバックキャストで
求めていく.そこに,ポスト構造主義とか,マルクス主義とか,社会構築主義が論を借りるものとして
あらわれてくる.
自然科学・工学・社会科学と様々な領域において,研究のロジックの組み方はわかっているつもりであるが,これらとはずいぶん違う面持ちである.
「これが学問なのか?」という過激な疑問は口にしないでおくが,論理の展開の仕方,モチベーションのどが,一般の自然科学・人文科学とは大いに異なるように見えるのだ.
男女差別の認識,その解消のための批判という 構造がありきとなっているように見える.
また,論理展開として
「全てが〇〇とは言えない,よって,△△は破綻している」
的な 論理を用いるところが散見された.(これは,他の書を読んでもその傾向が・・・)
印象としては,ルーマンのコミュニケーションにおける二値コード化で言えば
学問システムは「真/偽」の二値コードによって,成立するが,
ジェンダー論においては,そうではなく「男女差別/男女不差別」という二値コードによって
成立しているように見えた.