[415]勾留百二十日 特捜部長はなぜ逮捕されたか
なぜか,兄が母に貸したものを,「あんたも読んでみ」と,回されて,とてもじゃないが
時間がなくてよめてなかったのを,まぁ,読まねば,と読んだ感じです.
例の厚生労働省の村木氏が無罪となった事件で
前田氏が証拠となるフロッピーディスクのデータを書き換えていた問題で
交流された大坪氏の獄中手記,を,もとに書かれた本である.
帯のウリが
「特捜部長はなぜ逮捕されたか」
であるが
そこについては,「よくわからない」
まぁ,検察の組織防衛のためだったと言うのが筋だが,
あくまで,大坪氏からの主観的な視点で,最後まで貫かれているので,
その正当性はよくわからない.
「衝撃の獄中手記」
と,あるが,本書は「衝撃の獄中手記」であり,それ以上でもそれ以下でもない.
勾留されると,どんなかんじになってしまうのかは,よくわかる.
ただ,それって特捜検察が勾留されなくても,他の人でも一緒であろう.
ただ,この大坪氏の思考パターンはよく分かるのだが,
その裏にたゆたう検察の文化は薄っすらと見えるのだが,
それ以上の目からウロコなことは,無かったかな と言うところです.
この著作は潔白,無実という方向で一貫して主張されているが,
結局は,現状
2012年3月30日、大阪地裁は大坪に懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した[7]。大坪はこの判決を不服として、同日、大阪高裁に控訴した[8]。
ということであり,三審まで行くだろうから,もう少し様子を見なければ,ならないといった感じだろう.
内容的には 200p くらいの新書で良かった気もする.
にしても,法の番人たる司法の制度は難しいものである.