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276 ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

2009-12-08  (tue)|カテゴリー:



マンガ家でありながら,最近,保守論客として注目されている

小林よしのり 氏による 天皇論

 

戦後世代の日本人は ホントに日本の伝統を知らない.

(もちろんボクも含めてネ!)

少なくとも公教育の中で教えられる歴史は 戦前と戦後に分断を作り

完全に荒れた向うの世界と完全に平和な手前の世界に分けてしまう.

 

広い意味で「学校」「教育」という場に長くいる僕自身としても,

また,物事は常に「連続している」という哲学を重んじる僕自身としても,

その断絶の弊害は大きいと思っている.

 

自らと切り離された歴史を学ぶのは意味がない.

 

さてさて,

本書ではゴーマニズム宣言シリーズそのままに,

天皇の存在を否定をする言論を止める気は無いが

(言論の自由だし.)

議論するにも,今の私達のうちの多くは,あまりにも「知らなすぎる」

議論をするというよりも,教科書や空気の支配を受けて,その言葉を

再生産しているだけだ.

 

とにかく,もう少し知らないといけない.

日本ではずっと保守の意見は 戦後極めて限定的に閉ざされていた.

マスメディアも教科書媒体も,偏ってきた.

それを,ある意味で平等な場に回復していくためには

 

マンガという媒体をつかって,啓蒙する小林よしのり氏の存在は貴重なんじゃないかな? と思う.

 

右,左どちらにもいい点とわるい点がある.

振り子が振れきってしまった状態は どちらにしろ 全体主義に向かう.

# ロードス島戦記のカーラじゃないけど.

 

ボクは 天皇家を存続させるのは賛成だし,

できたら,東京から京都に皇居移転を果たすべきだと思っている.

# 国における 象徴(権威),経済,行政(権力)の中心を地域的に分散するべき.

# 今のままじゃ,震災かテポドンが東京を襲ったらと,考えると日本はピンチだ!

 

脱天皇は脱国家 –> 個人主義へ という戦後の流れと良くも悪くもリンクする.

個人主義社会と科学に於ける線型思想(物事は分離出来る.) はオーバーラップする.

科学の業界では,はその罪をデカルトに求める人も科学界では多いが,デカルトだけのせいではなかろう.

わかちがたい 世の中は難しい.

 

完全個人主義の弊害(というか,自然の摂理上,無理な点)が見えてきた時代ですから

伝統を守ること,公への貢献,その象徴を意識することのメリットを再確認する作業は必要でしょう.

そういういみで天皇論はタブーではなく,身近なものになってもいいと思うのです.

 

 

人間というのは文化と歴史の上に成り立つ高等な知能だということは大切にしないといけないんだと思う.

人間てのは深淵なのだ.

# だからこそ,人の知能研究は魅力的なのデスヨ~

 

別にボクは,市場経済も,個人主義も男女共同参画も良いと思うが,

何事も原理主義的なのはいかん.

# 逆もしかり

 

多様性を無視した均一な系における,論理思考 と 個人の利益最大化 だけなら,

ロボットにだって出来るのだから.

そうじゃないから人間は現状のロボットより,いろいろスゴイことが出来るのだ.

 

すんません.もはや,なんの書評にも紹介にもなっていないコメントでございました.

おもしろかった本でした.

 

ただし,マンガだからさっと読めると思ったら大間違いですよー

ボリューム満点.

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