[383]絶望の国の幸福な若者たち
2012-04-16 (mon)|カテゴリー:|
世では売れているそうなのですが,
学術的な本としては,あまり,深いところを切り取ったようには思えなかった.
著者が頭がいいのはわかるし,26歳でここまで,広範に押さえられるのも凄いと思う.
また,従来とは異なる切り口で「若者論」を展開するのも面白い.
多分,若者が若者論を切れ味よく展開する.
そういうところがウケているのだろう.
読者層の年齢は多分 著者より高い.
しかし,本書を読んで だから,どのような,未来を?認識の持ち方を?
というと,指針が見えない.
社会学というフィールドは それでいいのかもしれないが,(たぶん良くないが)
どうだろう.
本書の中でフェミニストの上野千鶴子氏の名前に言及する事があったが,
上野千鶴子の著作を呼んだ際の感触にも近いものがあった.
特に批判するわけではないが,感銘を受けたわけでもない.
大々的にもてはやされているので,受けての僕が
ちょっとバイアスを受けているところもあるが,類書と同様の感覚で
読めば良い一冊だろう.