282 数学は言葉
東京図書
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数学が第二外国語なんて!
友人のA.H.女史がブログで紹介していたので読んでみた.
というか,日頃,学生に口すっぱく言っている言葉なので,
興味があった.
数学の式を理解しよう.
それは,何かを意味している言葉である.
特にボクらのように人間の知能を計算論的に理解する,表現するということを生業にしていると,
実世界の非常に曖昧な現象をなんとか,数理モデル,確率モデルで表現して,実現しようということになる.
そのときは,数式により現象を記述しなければならないし,数式を解釈しなければならない.
ピュアな数学の世界だけでもいけないし,アンビギュアスな現実の世界だけでもいけない.
その間の解釈を通した世界の往復を,身につけなければならないのだ.
卒論ぐらいでは,触れるだけで, 修論ぐらいで,実感.
博士論文では体得するくらいでいいと思う.
さて,そんなバックボーンで期待を持って読んだのだが,
もうすこし初等的な話しでした. そらそうやわな.
定義とは何か? とか ∀ とか ∃ とかが入った式の読み方,書き方など.
それからεδ論法など そういうのが載っていたわけだ.
出来る限り平易な言葉で書かれていて,なるほどな と面白く読んだのだが,
僕にとっては,まぁ,基本的には既に知っていること.
非常に数学の人らしい記述のものを平易にしたかんじなのだが,
我らがR大の学生達が これを読んでどのくらい「フンフン!」
と思えるのかは,気になるところだ.
分かりやすい解説も,場合によっては受け手の想定をミスると
ひとりよがりだからなぁ~.
分かる人にとって分かりやすくおもえても,
分からない人にとってわかりにくかったら意味ないし.
また,だれかに渡してみようかしら.