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272 知っておきたい日本の神様

2009-12-04 (fri)|カテゴリー:

知っておきたい日本の神様 (角川文庫ソフィア)
武光 誠
角川学芸出版
売り上げランキング: 151605
おすすめ度の平均: 4.0
5 現世ご利益の観点から何が見える?
4 コンパクトな神様入門書
4 神社を身近なものとしてくれた一冊
3 日本たる由縁。

 

 

最近の日本人は 旧約聖書の世界の始まりは知っていても,

ギリシャ神話はしっていても,

日本の神話を知らなかったりする.

 

西洋文明がリードしてきた近代化が環境・資源問題,国際安全保障問題等で壁にぶつかる中,自然共生型の思想が注目されているが.

はっきりいって,

青い鳥は すぐそばにいる.

 

というわけで日本の神道だ.

さてさて,みなさん,お忙しい中,

今更,日本の神道を勉強しようとおもってもそんな時間は無いかと.

とはいえ, 正月にはおみくじ引くし,受験と交通安全くらいはお守り買うでしょ.

 

日本人は宗教心がないとか 西洋来の人は言うが,

ぼくは まったくもってそんなことは無いと思う.

まさに,神道は 日本人のベースを形成している宗教なのではないか?

 

「え?そんなことないよ.おれ,神道なんてしらねーし.墓とか参るし,あれ仏教でしょ.クリスマスはプレゼント買うよ.第一,洗礼みたいなのもしてないし~.」

 

とはいえ,多くの日本の人は

# もちろん ハッキリ宗教観をお持ちの方は除く

 

「木々に包まれている場所に神聖さや安らぎを感じる」

「神様に願い事をしていたら,それだけで望みが叶うとか,そんなの嘘くさい」

「長く使ってるものとか,なんかそれ自体に なにかが宿る気がする」

「ホント尊敬すべき過去の偉人とか,すげーソフトウェアとかカミだよねー!」

「べつにいろんな神様がいて,いーんじゃねぇー.人生イロイロ,神様イロイロだよ」

 

と,いう風な ゆるさと現実主義,自然や物との共生観 を根っこに持っていたりするのではないだろうか?

これが,しばしば,現代都会人に田園・山村風景へのノスタルジーを生んだりする.

 

ちなみに,上のんは,大体,僕が共感するものでもある.

 

とまあ, 上に書いたのが 僕の理解するところの 神道の 宗教的ニュアンスなんですよね.

もちろん,時代や派によって,天皇中心支配の色を強めるための機構や,その他もろもろが入るので,全ての神道がそうだとは全く言わないが,

 

よく,「宗教的寛容」なんて事を言うが,神道は歴史的に 超寛容, てか無節操なところもある.

日本は「輸入文化だ」 なんて事もいうが, 最近それって違うな っておもう

 

日本の強みは輸入ではない 「消化」 だとおもう.

外から,引っ張ってきた全く関係ないものを 自らの思想体系,生活・文化の中で再解釈し,位置づけ,自らの物として消化してしまう.

 

音楽シーンでも,日本で定着したHip-Hopは最早ビルボードのそれではない(僕の感覚による).

# なぜ,Hip-Hop が「おかんありがとう!」みたいなメッセージソングになるんだ!!?

# めっちゃ柔らかくなってるし・・・.

 

で,本書なんですが,

日本の神道といろんな神様を,少ない頁数の中で

網羅的に概説しています.

 

次々に神様の名前や由来や,どういう風に信仰されていったかが,

書いてある.

 

神様の中には,各豪族の先祖的なものもあれば,海外からやってきたものもあるし,

富士山みたいに”山”が信仰されたものもあれば,明らかに仏様もいる.

それから,徳川家康や菅原道真みたいに,神様になっちゃった人もいるし

明治に入ってから,戦死者をまとめてまつった 靖国もある.

 

まぁ,ほんとイロイロ 

海外から来たのなんて, オリジナルは悪い神様が なんか,こっちにきて,実はイイヤツ!みたいな 変化を遂げた物もあるし.

 

「うちの神様って,実はインドの○○○といっしょなんですよ!」

って事で融合を果たしたものもある.

 

ほんと,その柔軟さには笑うとともに,うなずいてしまう.

 

多様性と自律性,適応性は僕の底に流れる譲りがたいものであるし,

これからの世の中は,そういう価値観が大切になってくると思っている.

 

というわけで,ゆるい神道って,いいなと思うわけですよ.

 

灯台もとくらし.

COMMENTS コメント

  1. shimamoto 2009-12-04 (fri)

    日本のゆるさは確かにある意味で武器ですよね.
    私も日本の文化は輸入文化ではなく,
    異文化の消化吸収による文化形成だと思ってます.
    最近思うのは,現代の我々日本人が西洋文明をきちんと消化しきれているのだろうかってことです.
    歴史的にみると中華文化でも消化に3、400年かかってますし,それを考えると,まだ150年そこらしか経ってない西洋文化はまだ消化の途上にあるのかもしれないなぁって思ってます.

  2. たにちゅー 2009-12-09 (wed)

    さすが,シマモトさん スネ.
    なるほど,確かに,消化の途上なのかも.

    個人的にはみていて 大分消化終えてきてるかな
    とは思っています.

    消化が終わるというのは 遣唐使廃止みたいなもので
    「まだまだ,学ぶべきものがある」
    と思っている間は,遣唐使を派遣し続けるのでしょうね.

    たとえ,持ち帰ってきたものが 本国に合わないものだとしても~.

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