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BOOK review

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[382]「お手本の国」のウソ

2012-04-15 (sun)|カテゴリー:コメント:0

目次を見たら大体わかってくる・・・・

はじめに
・「少子化対策」という蜃気楼—-フランス
・"世界の教育大国"に「フィンランド・メソッド」はありません—-フィンランド
・「第三極」にふり回された二大政党制お家元—-イギリス
・私なら絶対に選ばない陪審裁判—-アメリカ
・自然保護大国の「破壊と絶滅」の過去—-ニュージーランド
・「ヒトラー展」に27万人、ドイツ人と戦争責任—-ドイツ
・財政危機、それでも食べていける観光立国—-ギリシャ

各国に在住している日本人のライターが

よく日本でいわれている 海外の事情を 教えてくれる.

 

個人的には フィンランド・メソッド が如何に,フィンランド本国では存在しないものであるか?

フランスの少子化対策がいかに意識されていないか?

陪審裁判がいかにひどい(?)か?

というあたりが,面白かった.

 

ただ,読む前に思っていたよりは,「過激」じゃあ.なかったなー と思います.

 

どうも,書かれているライターさんが皆,その国に住んでられることもあって,どうも,その国に対する愛情が基本的には筆のベースに流れている気がしました.

この本を引用して書かれている本のほうがナンボか過激でした・・・・.

 

比較文化論じゃないけど,ちょっと,各国の実情を覗き見してみるには,良い本かな.

[381]図解アメリカのソーシャルメディア・ビジネスのしくみ

2012-04-15 (sun)|カテゴリー:コメント:0

ソーシャルメディアの業界図が・・・・ とか,そういうのではないです.

成功しているソーシャルメディアつかったマーケティングって

どんなかんじでやってるんだろうなー

ってそんな本です.

 

特徴としては どのメディアを使っているか?ということよりは

「どう組み合わせているか?」

を扱っているところでしょうか?

 

最近はみなさんの身近でも

「twitterか?facebookか?」

という二択ではなく,全ての組み合わせ,となってきている状況かとおもいます.

 

それぞれの特色(機能,ユーザ層)を見極めてそれらを効果的に組み合わせる.

そのための事例集というくらいに読むといいのかもしれません.

 

比較的軽い感じのほんですねー.

[380]米国製エリートは本当にすごいのか?

2012-04-15 (sun)|カテゴリー:コメント:0

 

アメリカの大学の話かなぁ と思ったら

確かにそういう内容はあるのだけど.

途中から,徐々に,日米戦争の話とか,アメリカのリベラルと保守の話とか

いろいろ,飛びまくる.

 

全体的には日米の政治・文化比較論みたいなかんじだ.

 

まぁ,論調が保守によっている感じなので,僕にとっては

ふむふむと読み安かったが~.

 

アメリカの大学論を期待する人にはちょっとずれてるかもね.

 

売れてるだけあって,面白いのは面白いです.

[379]一般意思2.0

2012-04-13 (fri)|カテゴリー:コメント:0

 

そこまで深く練られた文章ではないし,初めに著者自身も,この本の単純さは申し述べているが,

ルソーの解釈と,実際の民主主義の現実解 としての 一般意志2.0 民主主義2.0 は

ありえるのではないか,と思える 作品だった.

 

惜しむらくは,著者自身が 本書のフレームワークで達現れてくる 一般意志2.0 つまり,

WEB上に垂れ流された情報の集約にどれほどの恣意性がまじるか?編集がはいるか?

そこに,言論としての情報がどれほど残るのか?などのあたりについてのディティールを

語るほど,テック側 デザイン側の意図がなかった事だろうか?

 

大枠としては本書のながれでいけるとは楽観論的には思うのだが,

大量の言論が分かりやすいインタフェースで表示される時,そこには必ず

権力的な作用が入り込む.それが現代のマスメディアであり,今後のネットメディアも

それからは自由では居続けられないと思う.

 

機械学習で情報を抽出しても,そこには必ずハイパーパラメータや人手のデザインが入り込む.

そこに利権は存在し得るわけだ.

 

中選挙区制と小選挙区制がテクニカルに異なる結果を生み,ことなる政治集団を利することは知られているが,

それと同様に,民意を統合する情報システムには泥臭い利権が混じり込んでくる.

ニューメディアがニューメディアではなくなる時.か.

 

個人的には「熟議批判」とでも言える論調が好ましかった.

私個人も熟議民主主義はスキでない.暴力的だから.(しかも意思決定遅いし・・・・.)

 

面白い本でございました.

僕ももう少し勉強します.


tanichu

一般意思2.0面白かった。技術的には機械学習によるセマンティックな情報の扱いに楽観があるのと、その統計の扱い方が一意でないので権力が忍び込む自由度があることが抜けてる気がするけど。この辺りは技術触ってないと書けないだろうし。大筋にはAgreeだ。民主主義2.0 へ行こう。

4月13日 9時40分 twiccaから
http://twitter.com/tanichu/status/190600403363176448

[378]ザ・エージェント

2012-04-06 (fri)|カテゴリー:コメント:1

 

出版エージェント本人が書いた出版エージェントの本.

出版エージェントなんて職業は知らなかったが,著者は大ヒットビジネス作家 和田裕美の本をはじめ

数多くのヒット作を生み出している.

 

wikipedia 鬼塚忠

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AC%BC%E5%A1%9A%E5%BF%A0

 

僕も一作本を書いているわけだけど, それは某先生にご紹介いただいて始まった.

もし,それが無かったらどうやって適切な出版社にたどり着けばよかったのだろう?

また,僕の書いた本は学術書だし仕方ない面があるが,売れ行き的なものは芳しくない.

 

どういう構成の本が売れるか?読み手に伝わりやすいか?

そういうことは,ある種の一般論としては存在するはずで,それを知識化して,作家と

コミュニケーションをとれる人がいれば,また,それに合う編集・版元にマッチング出来る人がいれば

より幸せな作品がうまれるだろう.

 

つまりはそういうことであるし,そういうおしごとのようだ.

 

中盤,スポーツのエージェントのお話にいったりもしながら,野茂やマイケル・ジョーダンのお話など

# あまり,知らなかったのでこれはこれで面白かった.

もありつつ,エージェントとは,的な話もあるある.

 

全体を通して,「出版エージェントってこんなしごとだよおおお!」というのが述べられていて

わかりやすいし,出版裏話的なものもあって面白くもあった.

 

ぼくも出版エージェントに会ってみたいわん.

[377]面白いほどよくわかるローマ帝国―巨大帝国の栄光と衰亡の歴史

2012-04-06 (fri)|カテゴリー:コメント:0

パックス・アメリカーノ が パックス・ロマーナと同じ,というか後追いだ とかいう

記述を見て, がぜん ローマ帝国に興味を持った.

大統領制みたいなものが,ローマにもあってより徹底されていたとか・・・

 

とおもって,こういうわかりやすい雑学シリーズから入ってみた.

 

ちなみに,私は中高時代からほとんど世界史を勉強できておらず(日本史一択できたので・・)

知識はほんとに高1レベル.

 

上記のような目的は果たせなかったのだが,ローマ帝国の長い歴史を俯瞰出来ました.

ローマ帝国というと,とても,安定して長期生き抜いた帝国のようなイメージがあったが

日本史的なイメージからは想像できない,大陸ならではの激烈なヒストリーがあったんですね.

 

皇帝の時代には,なんと,暗殺の多いことか・・・・. 基本,皇帝って暗殺で死んでるんじゃないの?

と,日本史では考えられないエグさ.

そして,女性陣が裏切ることの多さ.

 

なんとなく,こういうヒストリーを聞いて西洋の人は育つのかなぁ とか 思ったり.

そういえば,ギリシャ神話も穏やかじゃないよね.

 

ローマはギリシャから派生した存在で,ローマ単独での神話を持っているわけじゃない.

 

 

ローマって,一つの国の連続した歴史というよりかは,その中で何度となく政権転覆がおこっている.

こういうことを考えると,外から見たら,日本はローマに負けず長い歴史をもつ,国なのだなぁと

思った.

 

いまひとつ,パックス・ロマーナ = パックス・アメリカーナ という図式は見えなかったので,

そのあたりは,別の本をあたりましょうか,

 

日本では弥生時代だった この時代から本当に多くの政治制度が あったのだなぁと思いました.

政治制度の進化って本当に難しいね.

[376]決断する力

2012-03-31 (sat)|カテゴリー:コメント:0

多忙な中,猪瀬さんもよく書かれるなぁ・・・ と,思うわけですが,

新刊 決断する力 です.

# お送りいただきありがとうございます.m(_ _)m

 

読むなら,「今」だと思います.

なぜなら,書籍というには,タイムリー過ぎる・・・.

震災以降,2012年1月そこらのトピックまで詰め込まれています.

 

ご存知 東京都の副知事をされている猪瀬直樹さんですが,

「決断する力」をキーワードにご自身の東京都での意思決定や緊急時の対応を例にあげながら,

どのように生きるべきかを記述されている.

 

特に,序盤戦の 3.11 の東京都の緊急対応の動きを自ら書かれているのは面白い.

こういうのは,よく,日経ビジネスの本とかで,記者が取材したものでノンフィクションで書かれたりするのですが

ご自身がその時のリアルタイムの動きと,「どこどこがこういったから消防隊を引き下げないといけなかったんだ」のように

はっきりと解説される例は少ないようにおもう.

 

緊急時には通常の手続きをすっ飛ばせ. とはっきりおっしゃるのが気持ちいい.

# かく言う私も,通常ルートをすっとばして,猪瀬さんにコンタクトしたことがあり,後で別筋に怒られた経験が・・・(・∀・);;;

 

しかし,猪瀬さんの年齢でこのレベルで,ツイッターのメディアの構造を把握して

使いこなしている人は知らないなぁ,と・・・,

ある種の 一風変わった ソーシャルネットワーク実践本 としても読めたりしました.

 

決断する力 とは違うかもしれませんが,

本書で数度でてきた 「リーダーの懐の深さ」っていうものを僕も持たないといけないな

というのも 読後に心に残ったことでございます.

# 一度 部下に任せたら最後まで信じて任せる.失敗を部下のせいにしない.など.

 

ていうか,何時書いてはるんでしょうね.激務の中・・・.

[375]電力改革―エネルギー政策の歴史的大転換

2012-03-31 (sat)|カテゴリー:コメント:0

電力業界産業史 である.

 

ポジションも近いように感じるので,読み易かった.

 

明治以降,どのように日本の電力産業界ができあがってきたかを

時系列を追いながら,また,キーパーソンの争いや,意思決定の時代背景なども

踏まえながら議論されていく.

 

一つの産業というものがどういうもののエフェクトを受けながら

育っていくのか見る上でもいいし,

電力ネットワークの今後を考える上でも勉強になった.

 

緊急出版ということもあり,時間があれば

校正面,編集面でもう少し冗長性をなくしてスパッとした内容になったかなと思うが,

全体を通して読みやすくできているので,よかったです.

[374]なぜ日本の教育は間違うのか ~復興のための教育学~ (扶桑社新書)

2012-03-31 (sat)|カテゴリー:コメント:0

帯に

「フィンランド幻想を打ち破り「大阪維新の会」の意義を説く!」

と,あったので,維新の会の中の人かと思いましたら,そうでは無いようで東京都庁の方なんですね.

 

僕は一読の価値があると思う.

 

例えば,ゆとり教育の問題と歴史的経緯など↓にもあったわけですが

0072 ゆとり教育から個性浪費社会へ

(↑5年前の記事なので書評に自信ない)

 

よりフランクで,より攻撃的であるように思う.

各国の教育制度を比較しながら,日本が多国の猿真似をしてもアカンと明確に言っている.

共産主義者の教育現場への悪影響を断固として記述して,

どのように向かうべきかを記述している.

 

また,日本教育会に吹き荒れるフィンランド教育への憧憬,幻想を指摘して,

実際にはかなり日本で吹聴されているものと異なると指摘する.

 

僕がクエスチョンマークをお送りしたく思ったのは,後半のルソーの引用から

宗教と教育の関係について議論した点であるわけだが,そこは,まぁ,

本書の中心軸からみれば,枝の部分であり,本質的な問題にはならない.

 

やはり,教育の中には「がんばったら,わーい ってなる.」構造が必ず必要であり

それが競争原理にほかならない.なぜなら,学習とは過去の自分との競争であり,

過去の自分という他者との競争を既に内包しているからだ.

それを無視した教育は,人をスポイルして,その可能性を潰すしか無い.

 

さて,現在,大学にいる学生の多くは「ゆとり世代」であり,

だから,どうというか,それを前提とした上で,しっかり,挑戦と危機を

乗り越えて行っていただかないといけないな,と思ったりするわけです.

[373]文学テクスト入門 (ちくま学芸文庫)

2012-03-31 (sat)|カテゴリー:コメント:1

途中から,何度となく,読んでいる間に寝てしまって,読むのに時間がかかりました・・・.

つまらない というのではない.

 

私の「教養不足」である.

 

この千夜千一冊をチラ見してくださっている方は

ご存知かと思いますが,

私は,あまり,文学の古典を読んでいる方ではない.

よって,いわゆる,エスタブリッシュメントでコンベンショナルな教養人ではなく,

とてーも,ITな時代の,爛熟した情報社会の中で,雑食的に情報を食らう

読書タイプなのであって, 故に,そういう方向で責められると 非常に脆弱な

知識しか持ち合わせていない.

 

本書は,文学「テクスト」入門 ということで,

本書の中では,江戸,明治,昭和の さまざまな 文学作品を引用しながら

テクストの読み(という学問)について入門していく.

 

といっても,系統的な話ではなく,トピック的にとんでいくので,ふんふんと 読める.

 

ただ, 夏目漱石や川端康成,二葉亭四迷 etc.etc. の作品の引用で

それらを読んでいる事が前提になっているような感じなのだが,

そういう引用に出会うたびに,読んでない教養の無い自分に出会い,恥じるという

展開であった.

 

 

ちなみに,1年強積ん読 をしていたので, 買った時のモチベーションを忘れてしまった・・・・.

 

多分,記号論まわりの興味だった と思う.

そういう意味では,文学評論の中で サラット出てくる記号論ワードが

最近,私達が研究の中で出てくるキーワードと重なりながらも,異なる用いられ方をしていて

でも,関連する視点もあり

「文学」というものの意味を 記号創発システム的な視点から ちょっと考えさせられた.

 

いずれにせよ,私などに読む資格があったのかはわからないが,

文学評論の世界と,その論理展開,文体に触れられたのは新鮮で楽しかった.

 

教養ある男になりたいものよのう~(´・ω・`).

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