296 共創とは何か
上田完次せんせいの研究や思考をしりたくて
かってみた.
ジャケ買い.
本書は東大で
2003,2004に行なわれたシンポジウムの内容を
まとめたもの.
司会進行の雰囲気や,各口演のようすが
ほとんどそのまま書かれている.
シンポジウムならではの学者の抽象的なトーク
お互いの気遣いのなかでの,お話しの仕方が
システム系学会参加になれた自分などからすると
非常にライブ感はある.
一方で,まだ著者らの唱える「共創」という概念が
萌芽的な概念であることがつたわってくる.
システム科学的な文脈からみれば,大体の雰囲気はわかるのだが,
「ここで言う共創と,ここで言う共創はおなじか?」
という風に突っ込みたくなる点などは,まぁ,しばしばあるわけである.
また,「共創」ということの意義はわかるのだが,
それが,学問としてどこまで成立するのかどうかは,なやましいところと感じられた.
キホンが理系的なコミュニティに端をはっしているので,
「物語る」だけでは,やはり不満足であり,なんらかの原理の数理モデル化や,そうでなくてもエンジニアリングとしての,方法論の樹立を行なって欲しいのだとおもわれる.
かなり,語り下ろし的なところがあるので,
深く 勉強したい人というよりかは
東大人工物工学研究センターに大学院生とかで行きたい人とかにオススメか・・.