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347「記号と再帰」記号論の形式・プログラムの必然

2010-12-29 (wed)|カテゴリー:

 

さて,2010年は理系・情報系の研究者が記号論にかかわる挑戦的な本を立て続けに出版したメモリアルな年であろう.

一つが「コミュニケーションするロボットは創れるか―記号創発システムへの構成論的アプローチ」谷口忠大(3月発売) であり,もう一冊が「記号と再帰 記号論の形式,プログラムの必然」田中久美子(6月発売)である.

 

とかいう文章だれか書いてくれないかなぁ・・・.

ロボカップにかかわられたりしていて,領域的にも近い感じのある先生だ.

とはいえ,シンボルグラウンディング問題に関わる記号の意味付けについて挑戦的に議論したボクの著書とは,内容的には「直交」しているといってもいいくらいかもしれない.

 

Semioticaなど,一流の記号論系の雑誌に発表した内容を,英語で出版した後に,日本語で出版したという本.

 

ざくっと言えば,「プログラミング言語の記号論」だ.

プログラミング言語の諸相を軸にしながら,記号論的な議論を展開する.

プログラミング言語の応用というよりは,プログラミング言語を哲学している感じだ.

故に,自然言語における身体をとおした意味の問題などには,よらず,まさに「レター・文字」としての「記号」を徹底的に論じている感がある.

 

パースの三項的な記号とソシュールの二項的な記号について,対比して論じており,解釈項,サイン(表意体),対象がシニフィアン,シニフェが同対応するか,などという議論も盛んになされる.

しかし,そこでは,記号とはある意味で離散的な表象,ラベルといういみでの記号として捉える傾向があり,ボクの記号理解の要点からはかなりずれるかんじはあるなぁと思った.

 

書かれていることはわかるのだが,本書をとおして,なんの問題が解きほぐされたのか・・・.よくわからなかった.

西垣通先生 が「機械情報」 or other information な文脈で本書をどのように評するのか聞いてみたい気がとてもしました.

 

そういう意味でも,哲学的な一冊であった.

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