346「つながる脳」
2010-12-29 (wed)|カテゴリー:|
理研の藤井先生によるサルの脳計測をつうじた社会性研究についての本.
研究そのものというよりも,藤井先生自身の研究ライフについて書かれている本といっていいだろう.
海外でのポスドク研究者事情や,脳研究でどういうことを実際に苦心してやっているのかという第一人称での記述がおもしろい.
ただ,著者自身がのべているように,
脳科学を通してどれだけ人間の社会性が明らかになったかというと
そこに明確な答えは見出されていないのが現状であろう.
萌芽的な領域であるがゆえに,手探りが続く.
研究者のビビッドな生活を見てみたい人におすすめの本だ.
逆に,知的好奇心からあらたな「知識」を得たい人に向けた本ではないといったところだろうか.