最近政治ネタは減っていたが,これは書かざるを得ないだろう.
朝刊を手にとって「びっくり」しました.ホントに.
内閣改造も終えて,公明党との熾烈な交渉をしていった矢先ですからね.
結果的に安倍内閣よりも短かったというから驚きだ.
ジャーナリストの上杉隆がテレビで「リピート機能がついているかのようだ」と,あまりに安倍氏と似た勝手な退陣に異論を唱えていたが,
たしかに無責任感は否めない.
しかし,福田さんの言う「手詰まり」というのも
「そんなの始めっから判ってたジャン」
と,思わざるを得ない.それを判った上で就任したんじゃ無いの?
安倍さんは若さと頭,経験の無さ(失礼)故に国民というよりかは,官僚及び閣僚をコントロール仕切れず,
わたわたしている間に崩壊していった.日本としては非常に局所的なガバナンスの問題だった.「政府」も「組織」なんだな.
ということを感じさせられる事例.
福田さんは,個人の人徳の無さと,圧倒的な外部環境の悪さ.そして,小泉・安倍の爪痕,参議院で連立過半数割れのねじれ状態.
非常にチャレンジングな状況だったことは間違いない.「それでもやる」という事で立った内閣なんじゃん?
この2連続の旧森派内閣総理大臣で色濃く見えるのは「個人的理由で首相になりたい.」という二世議員の宿命めいた願望だろう.
「親父が首相になれなかった,」「父親が偉大な総理大臣だった.」だから,僕もなりたいんだ.
そういう理由がどうもチラチラ見え隠れする.
ウチの国は特に世襲制はとってないんですが・・・.藤原家の摂関政治の名残なんでしょうか?よくわかんないけど.
(アメリカも人のこと言えませんが・・・.)
モチベーションが「なってみたかってん!」やから持続力も無いことはあたりまえ.
なることが目的で,あるいみ当り前(宿命).なったら,うまくいくだろうと勝手に思う.
だって,サラブレッドだもん.
福田内閣はよく言えば「調整型内閣」,はっきり言えば「ビジョン無き内閣」でした.
実際,ビジョンはあったのかもしれないが,言えるのは「メッセージ無き内閣」だったのだと思う.
しかし,それは20年前の日本なら問題にならなかったかもしれない.
バブルへの絶頂と,それ以後の長期不況を経て,小泉内閣が日本に「リーダーシップ型総理」を定着させてしまった.
国民は最早あのテンションに飢えているんだ.劇場型政治といわれるかもしれないが,あの頃から若者も国会,選挙,
政治に関心を持ち始めたんじゃ無いだろうか?
民主主義国家は良くも悪くも「庶民の政治」な訳なので,庶民のココロを引っ張ることは大切です.
さてさて,
福田内閣が打つ手無しだったのは本当だろうか?
年金問題にしても,ガソリン税の問題にしても逆手に取る事は出来た気がする.
年金問題では,非現実的なものに対して「出来る」と一辺倒で押し切った.国民はバカじゃないから,どっかで「あぁ,
もう無理なんだろうなあ」ということは気付いているのに「出来る」といっておいて,後で「無理でした」と返す.
「毅然たる撤退」という打つ手もあっただろう.
みんなが求めているのは表面的な解決じゃなくて,国民年金の構造的問題にあるのだと思う.そこに手当しないで,「いけます!
ちゃんとすればいけます!」と繰り返すのでは,あまりに稚拙??
好景気なら好景気の攻め方,不景気なら不景気の攻め方があるように,政治だって一緒じゃないでしょうか?
悪い状況の時はそれを毅然と認めることがリーダーシップを生み出す事だってある.
営業でも人に信じられようと思えば,商品のいい面ばかり見せず,悪い面も見せる.人間として信じられようと思えば,
自分のいい面ばかり見せずに,悪い面も見せる.ある程度基本でしょう.
小泉さんの衝撃は「痛み」とかネガティブな面を強調した点にあろう.
テクニカルには現状の負の面を外在化する事によって,みんなの不満の矛先をそっちに向けるということだ.不満の矛先が判らないままに,
あやふやなままだと,結局,その不満の対象を匿っているようになり,首相が象徴的に責めの対象となる.
まあ,そういう意味でも福田首相はメッセージを送れなかっただと思う.ビジョンというのは,「現在の世の中の見方」という構図も指す.
「見方」なので真実は一つではない.(もっとも,その構図に論理的不整合があってはいけない.)
人は結果のみに動くにあらずで,結果の「解釈」によっって動くのである.
例えば,ガソリン税の時にだって,脱クルマ社会,環境問題とセットで未来を示すことが出来なかったのだろうか?
非常に近視眼的な経済情勢に対する配慮に終始していた気がする.同じ「値段が高くなる」でもそのエフェクトは多岐にわたる.
そのどの面を中心に見ればいいのか?そのパースペクティブをリーダーシップを持って示すのも資質として求められる事だろう.
(そのビジョンがあってるかどうかは別問題.次の問題.)
ところで,ポスト福田は誰かという話ですが,
難しいですね.
麻生さんだという話ですが,「解散」とセットで考えると,「ここで麻生さんですか?」という気もする.
過去の記事でも書いていましたが僕は麻生さんをかっている方なので,
小沢か麻生か?
と問われたら,「麻生」と言ってしまうでしょう.
民主か自民か?
と言われたら,・・・・・・微妙ですね.
というか,民主も頼りなさ過ぎです.先の姫井事変のように,自民よりも内部のガバナンスがシッカリしているとは到底思えない.
執行部も決まったメンバーばかりで,内実よりも相当に層が薄いように見えてしまう.
その意味で,今回の代表選をやらなかったのは失策だろう.
自民はまたしっかり総裁選をやって,ニュースネタを日々供給するに違いない.
ポスト福田の総裁選ですが,本命は麻生としても,是非,派手に戦って欲しいものだ.
みなさん,アメリカのヒラリー vs オバマを見て,何にも感じませんでしたか?僕はなんとなく
「うおーーーー,民主主義じゃーーーー!!」
と思いました.国民のリーダーを選ぶ一つのプロセスとして党のリーダーを選ぶプロセスの本気さ.その中で繰り返し行われる政策の討論.
その中で人気をモニタリングしながら入る微調整.
選挙そのものが,政策決定のプロセスに入っているんですよ.
勝つことも重要ですが,その中で論戦を戦わせる事,その時の世論の動きを見ること.これが民主主義なんです.
「投票に行けば政治参加している」
という誤った欽定民主主義観念を持っている人は,改めましょうね.
まあ,自民総裁選はまた盛り上がるチャンスなので,是非やって欲しい.
そして,そろそろ女性首相候補の露出が始まって欲しい.
つまりそろそろ小池百合子さん立ってみたら?
という気もする.
(野田聖子はまだ復帰したてやからなぁ)
話によると現在,両親の介護で大変だとか.
麻生さん vs 福田さんも結構白熱したし,是非皆さんスピーチ合戦,政策議論がんばって欲しいものです.
総裁選や代表選はあくまで党内の投票なので忌まわしき「公職選挙法」に縛られない民主主義国家らしい論戦が期待できるというものです.
小池さんのトップとしての手腕の程は,麻生氏よりも判らないが,
土井たか子越えのマドンナ旋風が起きる可能性もなきにしもあらずだろう.
最終的に麻生がトップで2番手小池となって組めれば,民主はどう対抗しうるのだろうか.
「二大政党」という「形」から入ってしまった小沢ビジョンは花咲くことはないのかもしれない.
久しぶりに長く書いてしまいました.