さて,もうすぐ2006年も終わりそうです.
これから数回で私の今年一年を勝手に総括していきたいと思います.
今年一年は,私にとっては,具体的な研究成果(仕事)では昨年のイノベーションの後と言うこともあり,新しい成果は殆どでなかった停滞の一年でございましたが,個人的な思考においてはカナリ革命的な一年でした.(研究は年度末締めなんで,もう少し時間はありますが~)
「世間知らず(専門バカ)にだけはなりたくない」という気持ち,アイデンティティを常に持ち続けていきていながらも,博士課程後半では研究成果をまとめるために,世の中に対するアンテナを不本意ながらも閉じて籠もっていた訳なのですが,今年はその反動が噴出したと言っても過言でない年でした.
~金融,政治経済についてや,新しいネット技術についてなど.
また,生まれて初めて「我が子」を迎え,新たな経験の連続に加え,今までとはまた質の違う責任感の芽ばえもあり,自分の生き方,研究の意義についても様々に考え直させられる一年間でした.
そんななかで,今年僕が影響を受けた本BEST3はなんだったでしょう??
第一位!
ロバート キヨサキ 白根 美保子
筑摩書房
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ちょっと古いです,かつベタですが,かなり衝撃の一冊でした.
なぜ衝撃かというと,それまで,心のどこかで気付いていた世の中の仕組みについて,世間の大人はそうそう言ってくれない,気付いていても「お金」が関わることなので素直には教えてくれない事を,ズバッと書いていてくれたので,かなりスッとしました.
スッとすると同時に,自分(多分他の殆どの人も)はなんて「社会についてのリテラシー不足なんだ」と気付かされて,それを学ぶモチベーションをかなり高めさせられたと言うことです.
システム論という立場で研究の位置をとっていると,社会システムについての考察をする機会もしばしばあるのですが,世の中の経済の「いろはのい」を分かって無くて何が社会システムだ!?と激しく反省したりもしたわけです.
弱肉強食は一貫して自然の摂理なのですね.(余談
)
第二位!!
大鹿 靖明
朝日新聞社
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2006年頭のライブドアの強制捜査は衝撃でした.
さまざまな問題提起を繰り返してきて,お茶の間のヒーロー&ヒールと化したライブドアへのこのタイミングでの強制捜査は余りにあからさまで,どこか劇場的でした.
このブログでも何度もいってるように,日本の起業家機運と情報産業の行方を憂慮する一般市民の僕としてはこの事件は本年何にもましてショッキングでした.
案の定,今年一年は新興市場は総下落.ITバブル以来の厳しい状況になっていったのです.
元々,情報技術を理解できないが故に,デジタルディバイドの向こう岸にいる年配世代が,これぞとばかりに「拝金主義批判」,「株主第一主義批判」,「汗水垂らして働くべき」というキーワードで盛り上がりった一年でもありました.
善し悪しは別にして,人類史上,技術革新がある時にはそれに先に適応した方が覇権を制するのですが,どうも国内では,それに歯止めを掛けようという機運が強い気がしますね.国家規模でのイノベーションジレンマでしょうか.
早い話が,近年進んでいたグローバル化+IT化への反動が,ライブドア,村上F関係を機に,一気に噴出したのかな?と思います.
でも,新制度に対してキレルなら方向は新興産業じゃなくて経団連だろ?
と思ったりするのですが.キヤノン,トヨタは絶好調ですね.
派遣の酷使のみならず,一般労働者にたいする見なし労働制度導入による酷使の準備も着々と進んでいるご様子.
元々,日本は労働基準法は無視してナンボというお国柄.
株主資本主義制度の浸透も今ひとつ.
国内の出る杭を打つ事に必死になるよりも,海外勢力に対して如何に競争優位を保つかを考えて行かなければならない.と,思うのですが.
自分に何が出来るのでしょうか・・・・? まー,ガンバリマス.
ちなみにこれらへの反作用として
こんなんも流行りましたね.
いやはや.
第三位!!
シーコースト・パブリッシング
ディー・アート
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上の二つに比べるとかなり格は落ちるのですが,コレが今年の僕を語るにおいては避けられない入口になった気がします.まー,これ掛ける金持ち父さんかな?
「博論が終わったら絶対株をやる」と言っていて,確か今年の正月くらいに買ってみました.
実際3日で分かるっちゃーわかるんですが.
理屈っぽい私としては,「株価変動が何故起きるのか?」「どうやって価格がきまるのか?」など,ながーーーーーーーーーーい間の疑問をどうしても解きたくなってきてしまったのです.
もちろん,利殖もしたい.
最近の銀行のバカみたいな金利に預けといたら損なことくらいは分かっている.
だからといって,海のものとも山のものともしれない相場に自らのなけなしの金を投入するほどオレは向こう見ずではない.
この当たりから,昨年無理矢理閉じていた僕のアンテナが全開で開きだしたのでした.
この本自体はたいした本ではないですが,これを買ってなかったら,春辺りからの簿記&会計ブームも,経営&経済関係への頭の中の核反応もなかったかもしれません.
現在では,「おまえの仕事にかんけーあるの?」って聞かれたら,「現時点では無いですね.」としか言えませんが,来年は,ここらあたりのリテラシーをもって,大学での研究の展開もイノベートしていきたいですね.
今後の展開が,博士課程での研究内容からの単純な延長では済まされず,よりメタな視点をいれて,社会学的な要素を包含していかないとイケナイのは明々白々なので
好き勝手にかいてますが,それがブログということで,お許し下さいませ.
今年の総括シリーズ.出来たら後数回書きたいところですね.
よろしう