久しぶりに書評を書く,たにちゅーデス.
ちょっと長いんで,パスする人はパスしてねー.
おかんに前から
「これ,よんだら~?お母さん読んだけどすごいよかったわー」
みたいな,それに類した事を言われていたモノノ,出産・引っ越し・出張等で,ばたついて,読んでなかったんですね.アマゾンで書評を調べていたらカナリ賛否両論あるみたいで,☆の数も3.5と,ベストセラーの中では,まあまあ,分かれているご様子.
ある意味での専門家としては,コダワリのある話に触れて来るはずのタイトルでございまして.
「こりゃ,ワシのコダワリ魂に触れる,だろうなあ・・・」
と,読む前からしばし警戒.
で,今日,ランチを食う時に時間ができたんで,読んでみたのです.
で,行き着いた先は寧ろ
「国家の品格」いけすかぬ・・
おかんスマネー
まあ,いろいろ意見はあるわけですが,基本は
議論が薄い.
のが
全体から漂ってくるのは「退官した数物系教授が専門分野をはみ出したところで,一般教養レベルを本に書いてる文章」.これは,いろんな読者の共感と反感を買うのは仕方ない・・・.
著者自身が始めに述べているように.
「女房に言わせると,私の話の半分は誤りと勘違い,残りの半分は誇張と大風呂敷.」
「品格無き筆者による,品格ある国家論」
である事を読者は念頭におくべきでしょう.
でも,この本が,どっか日本人にくすぶる危機感をくすぐってくれるのは確か.だから売れるんです!もちろん売れることには理由がある!そして売れる事はスバラシイことです.
ただ,その危機感を解消へ導いてくれる本では無いってこと.
退官した教授というのは得てして問題点だけを列挙して,自分の思いつきてきた事を言って,解決への糸口は見いださぬまま放置するという講演・文章を書く傾向がある.
なぜでしょうか?
ご高名な先生方には既に「時間」と「活力」が無いからでありことがあり,「後は若手に任せよう」という無責任さがある場合があるからなのだ.これが,自分の専門領域であれば,まだ,良いのだけれど,教授という名で手に入った名声はなぜか他領域のご意見番としても社会的権威付けが起こってしまうのが,人間社会のおもしろいところ.
皇室典範改正問題で諮問委員の委員長やった元東大学長の吉川弘之なんて
「あんた,機械系やん!皇室関係ないやん!!」
と,知ってる人間はツッコミたくなる・・・.
読む方,読まれた方に心にとめて欲しいのは
「この本は専門書ではない.」
と,言うこと.まあ,わかって読まれている方が多いとは思いますが.もし,本当に社会の事を憂い良い日本の形成の為に議論を深めるならば,この本は,ちょっと,無視している点,飛躍,決めつけ等が激しすぎるので.
ので,くれぐれもエッセイとして読みましょう~.
格差社会と言われる昨今で,それを筆者も嘆いていますが,考えてみましょう.勉強した歴史を振り返ってみましょう.
人間の歴史で格差の無い時代なんてあったんでしょうか?
そんなものはなーい.ただし,農耕社会以降だけど.
(狩猟社会は格差なかったけど,人殺しはいっぱいあったし,平均寿命ももっとみじかかった.)
人工的に格差を取り除いた,エセ共産国家は,より大きな格差を生産したという実験結果もありますね.
僕は過去に比べると,現在そんなに世の中悪くはなってないと思う.少なくとも,僕ら2,30代は,そんな悲観論より具体性のあるアクションで赤ん坊の為の未来を切り開く,責任があるのじゃ.
よりよい未来へのアクションにつながりうる研究,がんばります.
久しぶりに長文を書いてしまった.
ちなみに,この本を読んでおもしろいと思った方,より進んだ,そしてドライな歴史観へ進みたい方には,こちら
ジャレ・ド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794210051/qid=1144560110/sr=8-2/ref=sr_8_xs_ap_i2_xgl14/503-2563691-6816734 が,お勧めです
関係ないけど,今朝,府会議員に当選する夢をみました.
なんやそら~.