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Variational MCMC のメモ

2012-05-08  (tue)|カテゴリー:

Variational MCMC
Nando de Freitas, Pedro Hojen-Sorensen, Michael Jordan, Stuart Russell

http://uai.sis.pitt.edu/displayArticleDetails.jsp?mmnu=2&smnu=2&article_id=91&author_id=4

を読みましたので,そのメモです.

 

名前の通りで,とてもシンプルでかつ読みやすい論文でした.

もう10年も前の論文ですが,分かりやすいポイントを突いているのではないでしょうか?

 

基本コンセプトは全くシンプルで,acceptable

Variationl Bayes (変分ベイズ)では,分布を変分近似して推定しますが,大域最適まで持って行け無い.

いっぽうで,MCMC(メトロポリス=ヘイスティングス法を基本に考える)では,提案分布自体が,対象の確率分布と

随分違えば,良好な結果が得られない.

 

そこで,提案分布を近似でいいから,元の分布に近づけて上げようというはなし.

VBで近似した分布を提案分布に使って,サンプリングするんですね.

 

VBの説明から丁寧にしてあるので,読みやすいです.

 

しかし,ここまでなら,とても,ストレートなのですが,実は,

We show that naive algorithms exploiting this property can mix poorly,

というのがニクい ポイント.

つまり,ただ,VBで近似した分布で提案続けても,あまり良くないよー.

ということ.

 

なんで?? の説明は3章冒頭に書いてあって

 

Both the importance
sampler and independent MH algorithm are well
known to perform poorly in high dimensions unless the
proposal distribution is very close to the target distribution
(Geweke 1989, Mengersen and Tweedie 1996).

 

ということ.VBで提案分布をつくっても,確かに,サンプリング対象の分布には近いかもしれないが

一回一回のサンプルを独立にとっていたのでは,なかなか,ずれた対象分布をサンプルできない.

MCMCとしては,サンプリング出でてきた点を上手く利用しながら次のサンプルを作っていったほうがいいのだ.

 

そこで

but address this problem by introducing more
sophisticated MCMC kernels based on block sampling
and mixtures of MCMC kernels

 

ということになる.

前者が 3.1 後者が 3.2に書かれている.

後者は,基本的には,遷移カーネルの混合や,積も同様に遷移カーネルになるよね.

という話で,それを上手く使っていこうということ.

 

一方で前者の block sampling はサンプリングしたデータをとっておいて,

Gibbs sampler みたいに,サンプル対象の変数以外を固定して,サンプリングするというもの.

そうすると,他の変数が引っ張ってくれるので,徐々に,対象分布をサンプリングしてくれるって

寸法ですね.

 

image

http://uai.sis.pitt.edu/papers/01/p120-de_freitas.pdf

 

まぁ,このくらい明確に差はでますよと.

 

感想としては,

コンセプトとして分かりやすく面白いかな と思いました.

 

わざわざ変分ベイズを使うかはおいておいて,

提案分布に近似分布を用いて,メトロポリス=ヘイスティングスでblock samplingを使うというのは

とても有用そうだし,適用もしやすいように思いました.

 

ちょうどそういうアルゴリズムを考えていた際に, twitter で @issei_sato さんに教えていただいた論文でした.

感謝!!

 

 

 

 

 

まちがっていたら, @tanichu までつっこんでください.

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