計測自動制御学会システム情報部門学術講演会でOS「記号創発の展開」をオーガナイズしてきました.
タイトルの通り~.
国内で記号創発に関わる研究をされている先生方に北陸先端,阪大,京大,総研大などから集まっていただいてご講演いただきました.
「記号創発」というキーワードは人工知能,ロボティクスの研究でもまだまだメジャーではないし,
複雑系や人工生命の中でもその真価をくみとりきれてはいないキーワード.
簡単に言うと,
「記号や言語ってなんだ?どうやって機能しているんだ?」
ということをロボットやシミュレーションモデルを通して理解する.
そして,工学的には人間とすごい不自然なインタラクションしかできない今ある機械でなくて,
実世界で人間と調和的にコミュニケーション出来,実際に実環境で活動できようなロボットや情報機器の可能性を探る.
(無理なら無理でそれを証明するのも一つの成果)
と言った話です.
話として,言語と身体の関係性とか,文法についての話とか,機械学習の話などが結構ボーダレスに入ってくる為,
かなりチャレンジングな内容になってくる.
現時点ではそこまでは言っていないが,「言語の意味」を考える以上,
ポスト構造主義以降の議論などから社会学的な要素も込みにしない訳にはいかないだろう.もちろん記号論や認知言語学などとは密接に関わる.
まだ,海外を含め国内に於いても記号創発のような課題にとりくむ人の研究者人口は極めて少ないが,
このシステム科学にとって重要な課題に,こういう草の根的な活動から参加者が増えていけば良いなと思うのでした.
OS自体は参加者はそんなに多くはありませんでしたが,なかなか良い感じで終える事が出来ました.
先生方の最新の成果も聞けてよかったです.
やっぱ,このテーマは熱いわ.
※OSはオーガナイズドセッションといって,学会に於ける提案型のセッションのことです.
※ご講演いただきました先生方ありがとう御座いました.