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第一回 「歩くまち・京都」総合交通戦略審議会

2008-07-11 (fri)|カテゴリー:

写真歩くまち京都 新スタイル構築へ

総合戦略策定審が初会合

歩行者と公共交通中心の交通政策について、環境や健康など幅広い視点から検討する京都市の
「歩くまち・京都総合交通戦略策定審議会」の初会合が11日、中京区のホテルであり、来年夏の答申に向け議論をスタートさせた。


(京都新聞より引用)


http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008071100182&genre=A2&area=K00

というわけで、ついに錚々たるメンバーで「歩くまち・京都」総合交通戦略審議会がはじまりました。

写真手前から三人目の後姿がですね。

若輩者ながら末席に加えていただいております。

環境問題・自転車利用等の問題で首を突っ込んでコミットしているうちに、このような席に着かせていただくことになりました。

わが巣の未来に貢献できるチャンスはしっかり生かしていきたいと思います。

さてさて、今回は、初回ということもあり、市役所の方からの現況報告と各委員からの一言づつ程度の意見言いというところでした。

はじめに京阪電鉄社長の上田委員の方から景観条例のために駅の看板表示などによる歩行者誘導ができなくなってしまっている現状の指摘がありまして、
次の発言が誰かないかとのことだったので、早速挙手して発言しました。以下、内容。(実際にはこれだけのことは言えなかったと思うが、
方向性的にはこんなこと。)

 



 

「歩くまち・京都」といったときに歩き+公共交通という理想像が描かれるのですが、なぜか自転車が追いやられている。「歩くまち・
京都」はただ「歩けばいい」というものではなく、それはあくまでも、それがエフェクトとしてさまざまな影響を持つからだ。

門川市長が8Kという言葉を使っている。

「健康」「環境」「公共交通」「子育て・教育」「コミュニティ」「景観」「観光」「経済」

これはこれからの京都的にすごくいいまとめ方だ。足りない点は知的産業・新産業創生面あたりかな?

要はこちらのほうが核であり、それを実現、活性化するための「歩くまち」への方針転換なのだろう。

しかし、それを目的としてフラットに考えると、実は自転車の方に軍配があがるのではないか?

たとえば、健康面でも徒歩以上に自転車は体にいいとされる、コミュニティとて自転車には車のように人と人を隔てる効果はなく、
郊外出店を加速させるような効果もない。環境については完全にゼロエミッションだし、
交通では車の8分の1程度の面積しか占有しないにもかかわらず、あまり変わらない実質移動時間を確保できる。

などなど。

また、実際盲点なのは「歩くまち」というのを前面にだしすぎると、結局、遠距離を歩くのは確実に不可能なため、
補完装置としてのクルマが知らぬ間に前提として現れ、結局総合的にあまりクルマが減らないということにもなりかねないのだ。

金閣寺を歩いて見たら、そのあと二条城に行くには必ず車を使うでしょ?そうすると、観光もポイントtoポイントになる。一方、
レンタサイクルなどがうまく普及し、自転車で観光するのがスタンダードになれば、その移動系路上の店舗における観光客の消費を期待でき、
点の観光が線・面の観光へと変化する事が期待される。経済的にも自転車にある程度の分がある可能性がある。

この審議会ではより明示的に「自転車利用」を議論に組み込んで進めていってほしいし、いきたい。

 



 

的なことを発言しました。早めに「自転車」を打ち込んだおかげか、
その後の各委員の発言の中でも自転車について言及する人が増えたのではないかとおもう。

自転車については、やはり、必ず指摘される「歩行者との事故」「対向車線を走る交通マナーの悪さ」「放置自転車・駐輪場問題」
「高齢者問題」が順に指摘されていったかな。

そのほかには健康と交通について、ロードプライシングを視野に入れた観光客の車での流入の問題、マイカー通勤対策、公共交通の結節点・
利便性の問題などが次々と指摘された。

もちろん、この審議会自体は人数も多く、特に第一回目ということもあり比較的発散型の議論だったと思うが、
今後は部会に分かれた会議もあるので、積極的に議論を深めて行きたいと思う。

 

しかし、車に比べたら不便と考えられるかもしれない自転車の「効用」が実際に上記8Kに対してどう現れるのか?
そこのシステム的な構造がまだクリアなわけでもない。今年は科研萌芽の不便益(不便の効用に着目したシステムデザイン法の構築)の研究分担者として「自転車の不便益やります」って宣言してるし、
そのあたりを構成的方法で接近する事は研究として進めていこうと思ってる。

エージェントの移動についてのローカルな制約条件が都市構造にどう創発的に影響し、またそれがエージェントの行動を変容させるのか?
具体的な交通シュミレーションとはまた違った粒度で考えたいものだ。

感覚的にはシステムバイオロジーに対する複雑系生命科学(構成的生物学)の立ち位置に近いかな?

 

門川市長ともご挨拶できてよかったよかった。

かなり刺激的な時間をすごさせていただきました。(結局、私が最年少っぽかったですね・・。)
 

CIMG3866 ←ちなみに就任の証拠写真

COMMENTS コメント

  1. わかば 2008-07-12 (sta)

    ゼストでのイベント次回はいつですかね?くりらじ・サイクルくるくるあたりに投稿してみようかと思ってます。
    ちなみに、
    山科から大津に抜けるルートには、
    車の少ないルートもあるようですね。
    http://sonsi06.hp.infoseek.co.jp/ozeki.html

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