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学術創成MTG 「動的環境認知の記号過程」班10月会合

2008-10-09 (thu)|カテゴリー:

京大で昼過ぎから学術創成研究「記号過程を内包した動的適応システムの設計論」の班会議をしてきた.

再生医療のT田先生,認知発達ロボットのO形先生,計算論的脳神経科学のA柳先生と,私で「動的環境認知の記号過程」
という班をやっている.

プロジェクトが始まってから,殆ど班会議が出来ていなかったのだが,なんとか予定を合わせて集まった.

初め全体的な話について相談した後に,私の去年からやっている人間からの非分節な連続的動作提示にからの模倣学習の話を話題提供した.

O形先生はご存じRNNPBで多様なモーションの獲得を理研のT先生とともに,長くやっておられるのでその辺りからのマニアック
(本質的)なコメント??をいただいた.

お互い大分手の内を知りながら異なる流派のために,非常にコアな議論が出来てスバラシイ.

私のやっているSwitching AR model + Ngram統計というアプローチでは,パラメトリックな統計的学習である.
言うなれば,人間のモーションの単位がきれいな非線形ダイナミクスとして完結する事を信じず,線形ダイナミクスを複数個繋ぐ事によって,
モーションの認識と生成をやろうというもの.

音声認識の流派に近い.

一方,O形先生のRNNPB,もしくはmixture of RNN
expertsによるアプローチはRNNというリズミックな動作を表現し得る成分を信頼し,
人間の動作も内在的な神経ダイナミクスによって動作の単位として認識されるものは,リズミックな非線形ダイナミクスで「切れる」
という事をある程度信じているという流派.実際切れるらしい(不勉強でした).

もちろん,分散表現だからバチっとは切らないんですが,まぁ,切る切らない(シンボルを離散として絶対的に信じるかどうか)
は近似の問題なので,T先生の言葉を借りるところの局所表現でも,内部表現的には事後確率の多次元ベクトルとして表現されるので,完全に
「コレ!」とは決まらないのですが・・・・.

また,行動単位から行動単位への遷移についても,アトラクタからアトラクタへの遷移が可能なものと可能でないもの,
可能な状態空間上の位置とそうでないところ,タイミングなどが,RNNPBの中では自然と組織化されるようで,「どこまでホンマか!?」
と思いながら,それも大切やなーと思った.

タイミングについては京大情報のM山件のK嶋先生のように隠れ状態の遷移をタイミングの確率分布で捉えてやったりとか,
状態空間上の位置の依存性ならば,遷移行列の前件部に状態量をいれれば良いのだから,パラメトリックモデルでもできるのだが・・・.
となると何が本質的に違うのか?

というのは,今後プロジェクトの中で,掘り下げていきたい,

前件部に状態量いれるのはT中君の修士論文でやって‘07HISで発表した.まぁ,
構築出来るモデルなんですが.そのときはTransitional Mixture of Expertsなどと名前をつけていました.

途中から代表のS木先生(恩師)も参加されて,「このような議論の中で運動プリミティブとはどう考えるべきか.」や
「模倣における観察者と行為者の非対称性,もしくは対称性はどのように捉えるべきか」など本質的な質問を投げかけられた.

個人的には運動プリミティブについては,「意味のある最小単位」という意味でのプリミティブは「そんなもの存在しない」
というのが見解だ.意味は最小単位を組み合わせ,一連の形が出来たところで,基本的な単位は生じるが,それも,
文脈やなによりも解釈される場(操作対象物など)によって決まってくる.

一連のつながりという点では,音素がつらなって単語が出来るのに近い,音素ひとつひとつに意味を求めても無駄だ.”あ”に意味はなく”明日”に意味がある.

手を机の上で動かすことに意味はなく,それによって,布巾が動き机が拭かれる事に意味がある.

(実際には机がきれいになった事による「価値」など,物理量だけでなく,社会的・文化的な項も差異化に関わると思うが.)

T田先生からは,軟骨再生における環境設計の現状の報告がありました.

細胞が環境を認知して,場所や周囲との関係性に応じた組織形成を行っていく.

そのような世界をダイナミカルシステムとして,一般性のある視点で見れたらいいね.という感じになりました.

A柳先生の報告は次回ということで.

 

O形先生には今年度から入っていただきましたが,俄然面白くなったなぁという印象です.

私としては,まだ,コレと言って誇れる成果らしい,成果も出ていないので,何とか持ち上げて行きたいと思います.

ではでは.

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