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【コラム】 都市の空洞化から地上の空洞化へ  ~ロードサイドビジネスの没落と,eコマースによるリアル店舗駆逐~

2010-01-17 (sun)|カテゴリー:

最近つらつらと感じている危機感を書いておこう.

 

技術革新の真の恐ろしさは,それそのものが持つ利便性ではなく,それが経済効果・社会効果として波及し,世の中の構造を変化させていく事にある.

技術に無縁と思っている人も,これにより,生活が変化したり,雇用を奪われたりする.

 

20世紀末からモータリゼーションにより,地上の距離感が大いに緩和され,郊外化が進んだ.

地価の安い郊外へと小売店舗が広がり,大資本によるロードサイドビジネスが活況を呈した. 

しかし,これからは,それが崩れていき,都市の形は大きく変容していく.

ロードサイドの店舗は商圏が広く,ワンストップでいろいろ買えることが求められる.

だから郊外出店の小さな店舗などというのは,考えられない.

 

その結果,人の住む場所はだだっ広く広がり, それを警護・管理・維持する行政コストの増大も指摘される.

警察の目も行き届かず,村社会の相互監視も無く,今は危ないのは都市ではなく田舎だと,いう議論もある.

 

中小企業の議論から言えば,駅前商店街 vs 郊外大型店舗の二項図式が存在し,

いかにして都心に於ける小売り・商店街の外部性を殺さないために,商店街を活性化するか?といった議論もあり,予算も割かれている.中小企業診断士もその支援が一つの使命となる.

 

しかし,現在,デパートを始め小売りの売り上げが目に見えて落ちている.

その理由は何かというと,「巣ごもり消費」の拡大だ.

不況の影響もあるというが,それは一過性のエフェクトで

今後ともネット通販を介した「巣ごもり消費」の勢いは消えない.

 

現在,楽天はこの不況にあっても 大幅な成長を続けている.

 

ロードサイド店舗に行くのは結局のところ時間がかかる.

「それでも安い!なんでもそろている!」

というのが,これまでのロードサイド店舗の強みだった.

 

しかし,

 

それらは殆ど全ての点で,ネット商店に負けつつある.

 

唯一,「いろんな実物にさわれる」という強みはあるので,

これを維持できる店舗は暫く生き残れるだろう.

 

例えば,クツ,ベッド,服などだ.

 

たとえば,ニトリやIKEAの優位性はしばらく維持されるだろう.

# ただIKEAは外資ゆえに,日本人の特有ニーズをくみとり続けられるかは疑問だが.

 

しかし,これも長続きはしない.

この優位性も,定性的なものではなく, ただ, 程度問題だ.

 

たとえば,0歳児を育児中のわたしの妻は,それまで絶対にネットで買わなかった,

子供服も 最近は頻繁にネットで買うようになった.

 

ボクもPC製品などは家電屋に行って,見比べて買うのが好きだったが,

これも最近は殆どしない,いや,出来ない.

 

忙しいからだ.

 

日本人が,どんどん忙しくなっていることも,巣ごもり消費への流れをかそくさせるだろう.

ここに男女共同参画による「全国民通勤時代」(今作った造語)も通勤の時間ロスによって忙しさを増し,拍車をかける.

 

# マクロには,通勤費は企業ではなく労働者の負担とすべきであり,税制もそうすべきだろう.日本人の通勤の時間ロスは国家的損失だ.

 

技術的にもビジネス的にも

クツやベッド のネット通販を加速させる イノベーションはあり得る.

 

例えば,クツもカメラやwii fit のような低廉化したデバイスで 足の形状を測れたり

すると,ちょうどのサイズをレコメンドする事はできるようになり得るだろう.

言っても,クツのサイズなんて0.5刻みの離散値の中での最適化に過ぎない.

 

着てみたいなら,自分の画像にそのクツをはめ込める画像処理技術で,鏡に映った姿くらいは出せるようになるだろう.

もちろん,実施の試着にくらべたら,十分では無いが「程度問題」だ.

要は購買のクリックをする「敷居」をどれだけ下げるかの問題だ.

 

上記,技術的なアプローチでなくても,ユーザによるコメント,☆印の投稿で,

買う前の安心感は相当に緩和される.

 

また,ビジネス的には,「不満だった場合には2週間以内は返品自由!送料会社持ち!

などの手法により,また敷居は下げられる.

 

わたしも今寝ているマットレスはネットで買った.

 

 

以上より,ネット通販の勢いはまったく止められない.

それが,

郊外店舗の息の根を止める.

 

自動車が地上の空間を縮退させ,

郊外店舗は都心の商店街を駆逐していった.

インターネットは地上の空間を消失させ

郊外店舗すらも駆逐していく.

 

結局,都市が 空洞化するのでは おさまらず, 

これからは 地上が空洞化 していく.

 

地域商店街の活性化を モータリゼーション, 郊外化,ロードサイドビジネスを敵視して行う  活動,施策もある.

しばしば,地域商店の活性化の為に,ネットの活用を勧めるコンサルタントも多いだろう.

 

ミクロには,それでいいのだが,

マクロには,それは魂を悪魔に売っている ようなものでもある.

 

eコマースは リアル店舗すべてにとってのライバルなのだ.

 

もちろん,技術革新は止められず,都市の形状もそのポテンシャル場の中で勾配を下っていく最適化のプロセスをダイナミックに進んでいく.

 

リアル店舗は地上から消滅する方向に向う.

# もちろんいろんな理由で,残る分はのこりますよ! 誇張表現はいってます!

 

ドーナッツ形の都市は,そのドーナッツ部分も消えゆく定めにある.

 

 

郊外化の議論 で 立地がどこに向うのかは簡単だ.

自動車が,なんぼ言っても 距離に縛られる以上,  

都心からのアクセスの利便性と,地価の低下の最適化計算により,

立地はモデル化出来るだろう.

 

これが郊外立地だ.

 

一方,ネット店舗の立地はもはやよくわからない.

ポスト郊外化都市の 住宅,商店の立地条件はどうなるのか?

 

 

友人は子供を産んでから,町屋風の家で,子供服を受注生産し,ネットで販売し,

そこそこの年商を得ている.

趣味を兼ねたかんじ.

 

 

郊外店舗とネット店舗の大きな違いは

ワンストップを一店舗で実現する必要が無いために,小資本で構わないということだ.

資本金ゼロでも構わない.

 

となると,強みと付加価値さえあれば家内生産で構わない.

これはIT関連事業だけではない.

 

もちろん,工場を必要とする製造業は地価の問題や都市計画の問題もあり,

地方に工場を持つだろう.

それはそれで大資本で進む.

 

さて,ネット店舗が進んだ結果,街中はどう変わるか?都市はどう変わるか?

これが大きなもんだいだ.

 

ネット店舗は,リアル店舗を持つ必要が必ずしも無い.

 

クリックアンドモルタル といい, 実店舗を持つ事が,信頼感を増すという話しもあるが

これは実空間の経済からeコマースの経済へ向う過渡的な状況だ.

 

この「信用」はネット上の「評判」などで,代替可能だ.

ぎゃくに,実店舗はあるが,ネット上での評判が劣悪ならばだれもそのサイトからは,購入しないだろう.

 

極論的には,地上から小売店舗が消える.

 

あるいみ店舗はあるのだが, 看板を出す必要がない,

普通の家に見える場所が,ネット店舗だということだ.

 

見た目にまちから小売りが消え,

人が集まる場としてのコミュニティ機能がなくなる.

商店街は別途アイデンティティを回復しない限り,復活出来ない.

 

 

その時,生き残る小売店の姿は都市の中で,どのようなものだろうか?

 

 

人はどうやって住む場所を選択するのだろうか?

 

 

 

低炭素社会こもごも,

エネルギー問題もこの問題にとって,重要だ.

 

郊外化都市は石油を燃やす自動車による高エネルギー経済によって

支えられている.

温暖化防止などで化石燃料批判が続く中で,都市のコンパクト化も言われ

自動車の高負担も 進められるだろう.

 

今後10年での,電気自動車もしくはPHEVへの切替は最早 確実だが,

 

太陽光発電とプルトニウムによる発電が 私達の欲望をどこまで支えてくれるのかは

定かではない.

 

 

人は,実世界の繋がりや対面での教育,

シャノン・ウィバー的な意味ではない, 社会的なコミュニケーションを意識し

転居戦略をとる可能性が高いと思われる.

 

人は一人では生きていけない.

という,大原則が,物理的な意味ではなく,もっと情緒的,情報的な意味で生きてくるだろう.

 

 

それは,コミュニケーションとイノベーションこそ,

知識社会における強みだということだと符号する.

 

クリエイティブクラスの世紀

 

日本においては,東京は引き続き優位だろう.

しかし,住環境の良さは「過密」であればそこなわれる 面がある.

 

正直,過密な場所でも過疎な場所でも 子育て はしたくない.

つまり「仕事」を軸とした,経済的要素だけでは転居戦略は確定しない.

 

日本人にはサードプレイスがない.というが

「家庭」「仕事」の二軸だけで,転居戦略を立ててきたのが,これまでの日本人だ.

 

しかし,不確実性を伴う出会いのなか,つまり,インフォーマルコミュニケーションから,

創造性が発揮される知識社会では,「サードプレイス」を生活の中に

重要な要素として位置づける事が必要になる.

 

これが無ければ,私達の国は,人生は,豊かさの次のフェーズに入れない.

 

一部,経済学者や官僚,政治家は誤解しているのかも知れないが,

人を豊かにするのは, 消費や需要 ではない.

それらは,労働者にとっては「消耗」とすら読み替えられてしまうかもしれない.

 

重要なのは会計的には「付加価値」である.

 

また,人が人として満足できる自己肯定感だ.

 

古典ではあるが,

マズローの欲求の5段階を見直してみると

 

貨幣で充足させられるのが,かなり下のレイヤーでしかない事は

明白である.

 

 

実空間の中での,人との繋がりはこれから重要性をさらに増すだろう.

つまり,直接的取引関係の無い,自分にとって「面白い」人たちとのリアルな出会いの場だ.

これも,ネットと接続する事にはなるが, 多分,ネットに完全に代替される必要は無い.

 

「恋愛から,結婚生活,共に生き,死ぬ」

このプロセスがネット上のコミュニケーションに,そうそう代替されないだろうということは,

多くの人にとって直感的に明白だ

# 代替ではなく,ただ,やむを得ない事情で,上記プロセスを遠隔地やるひとは別.

 

 

つらつらと

書いてきたが,

 

今後どうなるか?

 

閑話休題だ.

 

都市の空洞化を越え,郊外の空洞化が進む.

 

全てが空洞化した後にあるのは,フラットな状態だけだ.

結局別の価値基準の方が,立地選択に強く効いてくるような気がする.

 

結局,脱モータリゼーションが起きれば都心回帰がやはり進むだろう.

 

その時,やはり 商店街が昔になっていたような,コミュニティ機能を

都市の中で,小売り無き状態の中でどう生み出していくかが

都市の課題であろうと思う.

 

そして,コミュニティもネット上のコミュニティとリアルコミュニティを

どうマッシュアップしていくかが,重要な問題となる.

 

ネット上の情報もGoogle から mixi twitter と構造化による有用性が

生まれている.これから5年は,そのような流れが続くだろう.

 

ビブリオバトルは知識社会に必要なインフォーマルコミュニケーションに基づく

情報取得を支援しつつ,そんなサードプレイスの創出をネット空間と実空間の

マッシュアップで進めて行こうという取り組みでもある.

 

もとい,

 

さいごは,手前味噌ではあったが,

 

ぼくらの街 が 時代の大きな津波にのみ込まれる前の状態に

居ることは理解しておくに越した事は無いだろう.

 

まちづくりに おいても, 多くの人は この問題では無く,一世代前の問題に 翻弄されている.

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