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kindle という名のデバイス  世界を変えるか?反射光ディスプレイ

2010-05-29 00.42.48

みなが iPad 発売で盛り上がる中.

わたしの手元には,粛々と kindle 君が届いた.

 

kindleはamazonが発売している,電子書籍リーダー.

 

その凄さは,表示デバイスにある.

 

何度もtweetしてきたが,私にとってiPadは ノーイノベーション.

何も,世界を変える要素を感じられない.

電子書籍の普及がこれまで失敗してきた反省を,どこかに活かした形跡がない.

少なくとも電子書籍を広める存在として,鳴り物入りで登場しているが,

その文脈では否定されていくのだろう.

 

 

kindleの恐ろしさは,その表示デバイスにある.

白黒なのだが,これまで私達の触ってきた情報機器とことなり,「反射光」で読むのだ.

 

これまで,私達は情報機器,電子書籍などと言えば,発行するディスプレイを直接見る

ということをしてきた.

これに対し,私達が慣れ親しんできた,書籍は,反射光なのである.

 

私達はテレビが出来るまで,発光体を直接見るという活動を有史以来してこなかったにも

かかわらず,電子デバイスはほぼ全て発光体であったのだ.

これが,「眼の疲れ」を生み,電子書籍が広まらないボトルネックになっていたとすれば・・・・.

 

kindleはそれを変えうる. 

これは一つの実験場だ.

 

kindleはまさに石版のよう,

 

いままでのPCに慣れた人は,このデバイスをみて,「おどろくことだろう」

 

kindleが世界を変えるかどうかは知らないが,

kindleが採用する,この電子ペーパー という反射光体表示デバイス は 私達の

電子的メディアとのつきあい方を とても,「健康的」なものにしてくれる可能性をひめているだろう.

 

iPadを含め従来の情報機器は「暗いところで」見やすい

これに対し,反射光体は「明るいところで」見やすい.

 

是非,kindleをひかりがさんさんと差す オープンカフェや,縁側に持ち出して

ゆっくり論文か小説でもよんでみようではないか・・・・・

 

1日さわってみて

kindleはUI的な部分で,はやくもいくつか不便な点があったのを見つけたりしたが

そんなことは まったくもって些細なことである.

 

適当な,競争やフィードバックをとおしてチョチョイとなおるだろう.

 

重要なのは, 私達が発光体メディアではなく,反射光体メディアという選択肢を得て,

それが現実的な形で市場に出てきたということなのである.

 

そのexperience は確実に 発光体デバイスとは異なる.

 

電子書籍市場に,私は引き続き懐疑的ではあるが,

電子ドキュメント(PDFなど)を読む 私達の生活スタイルが kindle 的なデバイスにより,変わっていく事は

十二分にありえるのだ.

 

半年後, iPad が残すのは,残念な気持ちだけだろう.

 

スマートフォンOSは来年度にはAndroid OS の方が日本でもメインストリームにあがってくる.

電子書籍が広まるとすれば,それはkindleの方でだろう.

 

いっておくけど,僕はApple嫌いなわけではない.

 

ただ,なんの技術が,どのビジネスモデルがイノベーション含みで時代に段差を生むのか?を考えれば

答えは自ずと明らかなようにも思える.

 

それでも,iPadは売れている.

僕のiPadに対する認識が勘違いであり,それには何か私が認識し切れていない良さがあり,

有益なものであることを祈っておくことにしよう.

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