6.人間集団の関係性ダイナミクスのモデル化と支援システムの提案
人間集団,もしくは自律適応系により構成される組織においては,人間集団自らが形成するルール,記号系が構成素自らの行動を制約するミクロ・マクロループ が形成されている.近年の,脱線事故や発電所事故,消費期限偽装問題などの社会的問題は,全てヒューマンエラーでありながら,組織文化や人間関係といった 非物質的要素,つまり組織のシステム的要素に主たる問題を有している.
人間関係が負の価値を生んだこのような事例に対して,mixiのように人間集団の形 成のダイナミクスを上手く支援する事で正の価値を生み出している事例もある.しかし,現在の所,システム科学の視点から,このような創発的実体である組織 内の文化や風土形成のダイナミクスを捉え,実際のマネジメントに示唆や提案を与えうるモデルは存在しない.
また支援システムでは,携帯機器のBluetooth機能とSNSを連携させることで人間関係の形成の支援を行うシステムを,携帯電話を用いた優秀なビジ ネスプランのコンテストである,MCTPモバイルコンテンツコンテスト2006において「Social Encountering Service『街角ですれ違う友達の友達は友達』-SNSに基づくユビキタスリアルコミュニケーション-」,として提案しKLAB賞を受賞している
関係する論文
- T. Taniguchi, K. Tabuchi and T. Sawaragi
“Role differentiation process by division of reward function in multi-agent reinforcement learning”
SICE Annual Conference 2008, in CD-ROM .(2008)[PDF] - 嶋本正範,谷口忠大,大矢智子,塩瀬隆之,川上浩司,片井修
“N人囚人のジレンマ実験ゲームにおける 局所的コミュニケショーンが意思決定に及ぼす影響”
第23回ファジィシステムシンポジウム,, in CD-ROM. .(2007)[PDF] - 谷口忠大、岡田敬信、椹木哲夫
協同作業場における言語創発のダイナミクス、
Human Interface Symposium 2003,, pp. 749–752 .(2003)[PDF]