234 男女同権は女性を幸福にしない
PHP研究所
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タイトルで引かずに是非読んでみてください
男女共同参画社会を根源的な所から問い直す勇気ある本
経済格差の原因を男女問題にすり替えるのは的外れ。
本当のことを書いている本という気がする
どう考えても,編集に「売るため」につけさせられたんだろうなぁ,というタイトルは置いておいて,読んでみましょう.
男女同権論者,フェミニストは「はぁ?」と思っちゃうし,保守の人間でもこうアカラサマなタイトルだと,ちょっとくみしにくい感じがする.
しかし,一部フェミニスト,ジェンダー論の人間のような,さも文化や身体的差異を軽視して,多くの文化恣意性のからの遊離こそ人間理性の本源のような個人主義的誇大評価をする人間や,
無批判に「日本の伝統を」といって保守言論を行う人に比べると,
多分なリアリティをもって,現在の多くの若者には「そうそう」と受け入れられる内容のように思う.
僕は とても面白かったと思うし,実に現在の男女同権,少子化の問題をついているように思う.
タイトルとしては「男女同権」よりも「男女共同参画」を前に押し出した方がよかったようにおもうが.
「これまでの男女共同参画社会の作り方じゃ,日本の女性は幸せになれないよ」
というのが,どっちかというと正しいタイトル.
1999年 男女共同参画社会基本法が成立,
そして,同時に 労働者派遣法の 大幅改正が行われた.
コレを機に,男女共同参画という名の 実体は,非正規雇用への女性労働力の大量流入という事態が起きた.
派遣法 85年, 男女雇用機会均等法 86年 の制定の後, この二つは歴史的に同伴して進展してきた.
結局,日本の実情においては,社会への影響は,この二つを独立させては捉えられないのだ.
この両輪が,バケツに穴を開けて,水を流し込むような政策になっていったと見える.
その水を受け取めるのは,差分を頂く営利法人であり,人材を育てない国家は徐々に衰退していくのだろう.
90年に 37.9%だった女性における非正規雇用者率は37.9% だったのが2008年には54.2% に達した.
この間の女性の雇用者数は役員を除いて
1695万人から2242万人まで増えているので
雇用形態別雇用者数(エクセル:74KB) (統計局ホームページより)
人数ベースではざっと2倍にふくれあがっているのだ.
より,クリアにわかるように,僕 独自に労働力統計から 男女の雇用形態の%を1990年からグラフ化してみた.
一目瞭然だ.
男女ともに非正規雇用が増大しているのは 当たり前だが,
女性においては正規雇用と非正規雇用の逆転が起こっている.
より分かりやすくするために
倍率でみてみよう.ここで,下記の変数を定義する.
非正規労働倍率=非正規雇用 ÷ 正規雇用
これをグラフ化してみると
という事になる.
コレが1を超えていると言うことは
「過半数の女性労働力が非正規雇用になっているということ」
つまり
「女性は基本的に非正規雇用の対象だ」
という,社会的諒解が根付いていく基本ができあがってしまったといえるのではないか.
これが,男女共同参画の社会が目指した姿なのだろうか?
女性の就職をすすめ,すぐに主婦になるのはイケテ無いとはやし立て,
正社員の育休制度や,その他モロモロの制度を整備するが,
その恩恵を得ることの出来ない非正規雇用に主立った女性達を流し込む.
うーん. 相変わらずのハメ技・・・・.
その中で「男」は0.2 程度で収まっており,
「男の非正規雇用はマイノリティ」
という事態にとどまってはいる.
# とはいえ, 20代と50代あたりを比べるとその差は露骨・・・.世代間格差!!
ま,これも十分に問題なんですが・・・.
上記は,本書の内容というよりかは,それにのっとった調査だが,
男女雇用機会均等法との因果関係がどうかはさておいても
現実はこうなのだ.
この事実に,「これまでやってきた男女共同参画の社会づくりには間違いが含まれていたのではないか?」
という警鐘をならすのが,本書の第一の意義だ.
なぜ,そうなったか?
の一つに筆者が挙げるのは
この男女共同参画の社会づくりが
至って, 官僚的, 学者的 なトップダウンなやりかたで,生活者とは乖離して
行われたということである.
もう一つ,マクロ経済及び税調との絡みで
「主婦もはたらかせて納税させたい」(実質増税)
との思惑のからみで不純にすすんだ事が否めない.
特にフェミニズム論の功罪を厳しく批判している.
フェミニズムは学問的には構築主義的な基盤を持ち,
「男女の差別は人間が作り出した恣意的なモノだから撤廃すべき」
といったような見方を提示するが,
それは,あくまで ある種の 主義・思想 であり,学説だ.
必ずしも真ではない.(と,僕は思っている)
恣意的なものだと言うところは,正しいのだが,
だから,無くして良いというのは 横暴だ.
文化・言語が恣意的なものであることは,現代思想の諒解だとしても,
だからといってそれらを廃棄したら現代社会は成り立たない.
そんなことを言い出したら,貨幣経済だって恣意的なものだ.
ながくなってきたのでまとめないといけないが,
少子化,産科医不足.
近年の「女性」無しには語れない,社会全体の問題は
決して私達を幸福にしているとは思えない.
「男女同権」は間違っていないと思う.
ただし,同権と同一は違う.
男女共同参画社会は大切だと思う.
しかし,それが直接的に女性の就労率の向上という労働力統計のお話しと直結すると,考えるのは 考え不足だ.
折りをみて話しているように,
経済には貨幣経済にのってこない経済がある.
外部経済と呼ばれる事もあるし,家事生産やコミュニティ活動もその一端を担う.
近年進められる,育児や介護の社会化は それを貨幣経済に乗っけようという話でもある.
「ビジネス」が美談化される昨今ではあるが,
貨幣経済でドライにした方がいいものと,そこに敢えて乗せない方がよいものと
社会の活動における その点での区別を考えるのは大切ではないだろうか?
全部社会化すればGDPは上がるだろうが,
その先に,何を目指すのか?
数値にしばられた偏差値教育を批判する人が,GDP増大に縛られていては,本質は見えないのだろう.
適材適所,多様性の容認
この古き良き自由経済の本質を忘れた,男女共同参画の社会は
僕らをどこへもつれていってくれないだろう.



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sscraper 2009-09-22 (tue)
この本、こないだ、
「たかじんの~委員会」で取り上げられてて、
作者も出てきて、その上で、
出演者全員から「あ~あ」という目で見られてました。
(本人も出版社の意向といってたけど)題名のわりに、
論理飛躍が多すぎるのと処方箋を書けてないのが、
聞いてる限りでは、大問題みたいでしたね。
本人が話すわけだけど、それを聞いた上での「あ~あ」だから、
かなりなんじゃないかな。
僕はまだ読んでないので内容の詳細まではわからんけど。
前回といい今回といい、わかりにくくないテーマの本なので、
記事をすらすら読めるという嬉しさがあります(笑)。
たにちゅー 2009-09-22 (tue)
あ,そうでーす.
たかじんの委員会で興味をもって買って読みました.
あれは,パネリストが本のタイトルにひっぱられ過ぎましたね.
最近,売りたいがために,編集&営業がつけたとしかおもえない,内容を軽視したタイトルがつく本が多くて困ります.
たかじん~ の中でも筆者自身が「私もこのタイトルには納得してないのぉー」
と言ってましたね.
資本主義社会の学術業界のその接点で起こるジレンマってとこでしょうか
田嶋陽子とのディスカッションは見物でしたが~
bigarrow 2009-09-23 (wed)
まんまと振り込んでハコってる自分にとって上記データはガクブルもんです。
とりあえず、思ったことをつらつらとあげると、
・生物として男女の性差は個体差では説明できないくらい致命的な生物・医学的差異がある(脳とその作用および筋力、臓器の位置など)のに、このような生物としての女性の役割を社会が単純労働力の面から非合理とみなし、「個人」の「努力」で何とかしないと一人前(≒正規雇用労働者)として認めないという風潮
・さらに女性の中での個体差があることを認めず「私がやれるからアナタもできる!」とわけのわからない理論でハードルをガン上げ(ごくわずかな成功例をさも水準であるかのごとく語る人間がなぜか多い
・家事・育児・労働と、今日生きるだけで必死やねん、政治?社会?そら大事やけど、アンタそんなの先のこと言うてたら鬼が笑うで!(たぶん一般論)
こんな感じです・・・
たにちゅー 2009-09-23 (wed)
どもども
激しく,非正規雇用・女性陣の代弁者 高学歴何チャラ の bigarrow さん
的確なコメントでございますね.
ホント,金持ちの有識者が口出しして 政治を動かすと いいことがない.
有識者×官僚 による行政が 日本をダメにする.