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0122 創発-蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク

2008-05-31 (sat)|カテゴリー:

創発―蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク
スティーブン ジョンソン
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 268963
おすすめ度の平均: 3.5
4 創発現象を概念的に理解するのに適した本
4 「創発」って何?がわかります
4 創発という言葉を知らなければぜひ
3 懐と時間に余裕があれば、どうぞ
3 創発系カタログ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「創発」という言葉はもはや創発システムシンポジウムなど,私がよく行く学会でも,しばしば口に出すのが躊躇われる言葉である.

某学会の創発を関したセッションなど,殆どの発表で「創発」という言葉は使われない.

言葉が含むニュアンスが「凄すぎる」のだ.

一研究者はほとんどそんなレベルの研究成果には到達できない.

 

創発は創造や,創成,創出,発生などとは違う.

初学者はこのような点で,「何かが出来てくることが創発」と安直に考えがちだが,それは誤解だ.

創造+発生=>創発 ではない.

創発に近い概念に自己組織化があるが,その差を説明できるかどうかは多くの人にとって微妙かもしれない.

なんにせよ,サイエンスワードどしては苦しいことに創発の概念は定まりきっていないのだ.

しかし,ある程度共有された文献もあれば,多くの論述もある.

そのなかで,システム理論の研究者は結局のところその「凄さ」の構造を理解しきれていない,捉え切れていないのだ.

その点については私も反省しきりなのだが~

 

そのような背景にあって,この本の良さは,

おそれることなく「創発」という言葉を多用し例を挙げ,
さらに文学的に説明を繰り広げる点であろう.

 

アマゾンでの評価は決して高くないのだが,僕的には悪くなかったなあと思う.

厳密さを求める科学者が書いた本だった,ここまで「創発」という言葉についてかけなかったんじゃないかな?

(批判も怖いし.)

ただし,絶版みたいですね.

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COMMENTS コメント

  1. まぎぃ 2008-06-13 (fri)

    たしかに扱いが難しいタームではありますね.
    【自己組織化】と【自律分散システム】との間には明確な違いがありますし,学問的にきちんと定義もされています.【自己組織化】は単なる現象ですから,システムの目的が明確に存在する【創発】とは明らかに違うでしょう.その点【自律分散システム】と【創発】とは重なる部分がある気がします.
    【創発】の場合,イントリンジックなルールで目的を達成するという意味合いが強いと思います.【自律分散システム】ではシステムの基本構造といいますか情報のフローは定義できますが,【創発】の場合はそこに明確な縛りがない.その意味では【創発】というのは構造を表現しているというよりも,設計哲学を表しているタームのように感じます.
    本は大学図書にありましたのでちょっくら眺めてみます.

  2. たにちゅー 2008-06-14 (sta)

    本格的なコメントありがとうございます.
    >【自己組織化】と【自律分散システム】との間には明確な違いがありますし,
    同意
    >.【自己組織化】は単なる現象ですから,システムの目的が明確に存在する【創発】とは明らかに違うでしょう.
    そのあたりは,多分僕と多少理解のずれがありそうですね.(というか,育った研究室文化の違い?)
    【自己組織化】をシンプルに定式化されたレベルでの現象として捉えるか,もっと豊穣なニュアンスで捉えるかで変わってくる気がします.
    生命の自己組織化,概念の自己組織化などというと,広がってきます.
    あと,創発って「目的が明確に存在する」んですか?
    そこは,かなり認識にズレがあるかも・・.
    イントリンジックなルールである特徴的な現象が達成されるという範囲では同意ですが~.
    ところで今年「創発システムシンポジウム」いかはります?
    と,この文脈で聞いてみる.

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