0168 コミュニケーション・入門 心の中からインターネットまで
有斐閣
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17刷出来なわけで,よく売れているのかな?
社会学的(?)なコミュニケーションの話について網羅的にとりあつかっている本.
書かれたのは95年頃なのでインターネットの話は序の口.
西垣先生の「マルチメディアはすごいことになる!」という予言めいた話が引用されていて,ここ10年間の時代の急速な変化を感じる.
いきなりミードやブルーマーのシンボリック相互作用論の話が前半にあり,「おお」とおもう.
しかし,辛辣に言えば,文系の理論の常で,難しい言葉や横文字は並ぶものの結局,「そんなに特別な事は言っていない」という話が多い.
ざっと目次は
序章 現代のコミュニケーション
第1章 人間のコミュニケーション
第2章 自我とコミュニケーション
第3章 人と人とのコミュニケーション
第4章 電話コミュニケーション
第5章 集団・組織のコミュニケーション
第6章 コミュニティ・コミュニケーション
第7章 集合行動・社会運動のコミュニケーション
第8章 マス・コミュニケーション
第9章 国際コミュニケーション
第10章 高度情報社会のコミュニケーション
と,非常に網羅的なので,これを一人で書いてしまわれるあたりはさすが放送大学教授様だなと思うのである.
とはいえ,僕の場合,大体のネタを既に知ってしまっているゆえに,特に感想がないんだが,
かなりトピックが多いので,初めて触れる人には面白い話もおおいかもしれない.
たとえば,二章では「自我」というものが,個人によって規定されずにコミュニケーションを通して
「鏡としての他者を通じて知ることができる」という話が出てくる.
このような概念はラカンの精神分析でも重要で結局,自分自身もシニフィアンにより表象される存在であるという事につながる.
それ故に,自らが所属する民族・文化の持つラングに自らの存在自体が拘束されることになるわけだ.
そこに自らのアイデンティティが制約されるので,その間に避けられぬ齟齬が合った場合には精神が悲鳴を上げる.
と,まあ,この本はラカンは触れてないんですけどね.
あと,うわさの伝播についての話もちょっとおもしろかった.
とはいえ,コミュニケーション(とくにマスメディア,コンシューマ・ジェネレイティッド・メディア)はこの10年,いやこの3,4年で激動の時代を迎えている.
正直,先日就任したオバマの支持率が8割を超えたのもコミュニケーションの地殻変動を伴っていた.
インターネットという大衆のコミュニケーションツールがなかったら,ヒラリー・クリントンの集金マシーンをオバマが超えられたとは思えない.
メディアは国家を規定する.
一時,コミュニケーション研究と言えば,なぜかジャーナリズムとつながっている面があったが,時代は地殻変動を起こしている.
ジャーナリズムやマスメディアといった単方向性の情報発信は「コミュニケーション」という議論の中で背景化していくだろう.(ていうか,しろ!)
テレビが双方向化するとか,いっときいってたけど,あんなもんまやかしじゃ!
200人対1の大学の講義ですら双方向化するのは至難の業やのに,視聴率1%でも100万人対数人のテレビが双方向化したら収集つかなくなるわい.
100万人の発言などホワイトノイズに等しい.
まぁ,ネットでの動画メディアが引き続き,あついので,新しい時代のメディア・インフラストラクチャをまだまだ試行錯誤していきましょう.



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shimamo 2009-01-23 (fri)
>100万人の発言などホワイトノイズに等しい.
あはは,確かに.
ただチャネルを双方向にすればよいという問題でもありませんよね.