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0080 科学哲学入門 -科学の方法・科学の目的

2007-07-01 (sun)|カテゴリー:

科学哲学入門―科学の方法・科学の目的
内井 惣七

世界思想社 (1995/04)

売り上げランキング: 178564

おすすめ度の平均: 4.0
4 帰納法が確率論と出会う時

 

 

 

 

 

前回の学術創成のKick Off MTGでどの先生だったかが,ちょっと内井先生の名前に言及したはって(文脈は忘れたけど),
ふと「あ,N垣ラボの研究会でも名前が出てたなぁ」とおもって,なんか読んでみたくなって一冊買ってよんでみました.

いままで,科学哲学のお薦めの本といえば,

科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる

戸田山和久先生の科学哲学の冒険だったんですが,

内井先生のこれは,また違ったわかりやすさで素晴らしかった.

ここ最近,ずっと,科学と限定はしないが,学問の方法論でモヤモヤしていたので,
あくまで科学哲学ではあるが,その歴史を教えてくれたところで非常に有益だった.

現在の科学者は統計的データの基づいて真実性を検証していく確率論的な帰納法を用いてやっている.わけだが,それとて,
<真実>にたどり着けるというものでもない.

で,ありながら,科学・非科学の議論になると,急にポパーの反証可能性に基づく反証主義に転んだりする.

KラボでK導師の話を聞くことも多いせいか(まあ,システム論者には結構多い言い方なんだけど),

「反デカルト!反要素還元!」

っていうアジテーションが多く起こる.

まあ,もちろん,システムという言葉が既に,要素の相互作用から生まれる「系」の事を指し,要素自体の解明で解明できな部分を扱うんだから,
要素還元を攻撃するのは当たり前.

1次関数君 「世の中のことは全て,1次関数でカタがつく」

2次関数君ともっと高次の人たち 「そ,そんなわけないじゃないかっ!もしそうなら俺たち,どーなんだよ!!」

 

でも,この本読んで,最近自分が苦悩している問題は「デカルト,そんなに関係ないんだなー」
と思うようになりました.

最近,苦悩していることっていうのは,所謂ソフトサイエンス的な分野(認知科学,認知脳神経科学,社会科学,組織論,経営学,
などなど)で,系が元来,物理的対象のようには,固定的でもなければ計測できるわけでもないうえ,それらもシッカリできず,
システムの恒常性(みたいなもん:システムの時不変性)も存在するかわからんもんに,無理に科学的手法をとる結果として,
いつまで経っても議論に幕引きのない戦いが続くという,徒労∞みたいな状況はなんとかならんのか.

みたいな話,なんですが(なげー).

どうも科学的方法っていうのは

「言語なり数式なりで記述された形式を実験を通して統計的に確度を高めていく」

というのが,主な営みのようです,

科哲な話でいうと,後半の実験を通して統計的に確度を高めていくの方に,
ウェイトが置かれる事が多いようですが,現在,隆盛な科学非科学ギリギリラインな学問達で言えば,
前半の言語なり数式なりで記述された形式が,well definedかって問題の方が激しく疑問.

シンボルが研究コミュや社会でシェアされてるかって話なんですけどね.

普通,心理学とかで苦慮されるのは,統計的に確度を高めようにも被験者が足りないとかいって苦悩されてはるんですけど.

前者の仮説の方もこまった感じになっているのじゃ無いでしょうか?特に,メディアを通した一般人への啓蒙という点では,
19世紀の科学には無かったような問題を孕んでいます.

特に,認知科学,心理学,脳科学~!?(まあ,自分もコミットしてるだけに反省も込めて)

例えば「サルは相手の心を予測できる」とか言う話とか「人間がキレる仕組みが徐々に解ってきた(by NHKスペシャル)」とか・・・
・ディフィニションがナンボでもあるような話がドンドン出てくる.

科学的命題の中に,科学の範囲で定義しきれないものが既に入っている.

ので,それを論証するということもそれに引っ張られて純粋な科学の枠からは知らない間に落ちている.

しかし,そんなロジックを分からない(普通分からん)視聴者は,
あらぬ期待をするわけで・・・.

実際の実験室では,その言葉自体とやってる実験とには一般人から見るとハテナマークが30個くらいでる開きがあったりするわけで.
さらに,業界の中でもシェアされきれてない場合が多い.

「ビー玉が30cm飛んだ」というあからさまに計測出来る物理科学事象とは大きく違うのを分かっていただけるでしょうか?

で,ここで言いたいのは,「おまいら非科学じゃー!」って言いたいのではありません

じゃあ,そんな制約条件の中で,その事実を直視した上で,僕ら学の人間は,「人間を扱う学問」の世界で何が出来るか考えなあかのです.

名誉あるし権威もある科学者の称号を返上してでも,やらなあかんのです.

多分.

 

と,再度,思うのでした.何とかせんと,この前もネタになった大学研究から教育現場への学知の還元みたいなことが厳しいのです.

あと,ポパーの反証可能性とかクーンのパラダイムシフトとか,世の人が喜んで使いがちなトレンディワードに対して,
「納得いかんもんは納得イカン」的にシッカリハッキリ,駄目な点を指摘してはったのが魅力的でした.

京大に居られる間に授業を受けてみたかったもんです.

 

ちなみに,科哲入門本でありながら,社会構成主義ネタはパスでした.

僕的には「わしは社会構成をよく分かってないんじゃないか?」と,最近おもっているので,
内井先生のわかりやすい論調で教えていただきたかったのですが~.他の本にはかいてはるのかな?

 

 

科哲周辺でのワシの野望は,科学のプロセスを拡張したり相対化していく中で,
構成論的方法の意味をなんかしらの形で見出したいっていう所でしょうか.

構成論的記号論やさんとしては.

 

まあ,長くなったのでこのへんでー

ちなみに,内井先生はもともと工学部の精密系
(僕の卒業した専攻)の出だそうで,その後,文学部に行かれたようです.

をを,親近感!

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COMMENTS コメント

  1. ノース 2007-07-21 (sta)

    一風変わった脳内構造のホームページがあるのですが、よろしければ、ご批評願えないでしょうか?

  2. たにちゅー 2007-07-22 (sun)

    ホームページの掲示板の方へ
    批評させていただきましたー.

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