0078 臨床の知とは何か
岩波書店 (1992/01)
売り上げランキング: 33687
科学・医療・死の捉え方
暗黙知・形式知
結構,狂ったように読んでますね.最近.
まだまだ,甘い感じですが.
旧ボスに薦められて読みました.
<臨床の知>ということで,現在の近代科学の不完全さを問うてられます.
近代科学の方法論は物質科学の上では,
普遍性と論理性と客観性を併せ持つシステムとして対象を捉える事で異例の力を発揮して進展してきました.
しかし,それが勢いづいて社会科学,人間科学,生命科学とひろめられる中で,
系がそのような一貫性を持った形でモデル化出来ないので頓挫する.
それに気付けって話でしょうか?
”臨床”ということで,後半は生命倫理の話にもっていかはるんですが,議論を哲学者らしく整理はできても結局の所,
何もブレークスルーは出来ていないように思いましたのです.![]()
自然科学の科学的方法論を批判すると,「社会構成主義だ」だとか
「でも代替案無いじゃん」という事を言われてしまいますが,
モデル化やアブダクションを除いた純粋に科学的な実験検証の営みってのは結局は統計学の上に乗っかってて,
システム同定や統計的学習理論の話で抽象化できるように思われる.
科学哲学での批判でなされる「グルーのパラドックス」
なんてのも,究極的に時変なシステムを同定する事なんて出来ないって話と被る面がある.あとは,
言語的な形式的議論と実世界の現象との間のマッピング関係が如何に普遍的に維持されるかってこと.
このあたりを考えると結局「キレる」仕組みを脳科学で理解する(by
NHKスペシャル)ってのは自然科学者の営為としてはヤバイわけっすね.はい.
そんな話がこの本に書いてあったわけではないのですが.
なんやそら
自分が扱いたかった対象「人間」に対する科学的アプローチの裏を支える学問の構造が混沌とするというか,
どうしようもなく成立しないのを体感する今となっては,対立軸を打ち立てなくてはならない焦燥感に駆られます.
とにもかくにも,難儀なニッチをライフワークにしてしまったもんだなー,
と思う今日この頃.
大学に居ることすらままならんぞ.![]()



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tanuki 2007-06-28 (thu)
どうでもいいけど,読書日記ランキングいきなりTop10入りはすごいねぇ.100人以上がクリックしたわけか.(^^;
たにちゅー 2007-06-28 (thu)
おお!
ありがとう御座います!
未確認ですが!
そうすかー.
引続きガンバらねーと・・・
一般法則論者 2007-06-29 (fri)
とても興味深く読ませていただきました。
「グルーのパラドックス」についても確かめました。
我々がこの世界に生まれるまえからこの世界は存在した。
その世界は、創造主である神+自然法則+エネルギー一体不可分の働きで説明できる。
人の心は、この世界を造っているのと一つ同じ創造主である神+自然法則+エネルギー一体不可分の働きで出来ているので、この世界をそれが造られた通りに認識することが原理的に可能。
この世界の存在、人間とは何か、真理とは何か、何が正しくて何が間違っているかなど、文化文明を超え、時代を超え、地域を越えて、全ての人に関わることについては、全ての人にとって、それどころか、宇宙大で、一義的に/一意的に明確に確定的にかつ客観的に、客観的で絶対的で普遍的な真理でないと、困るという簡単な理由で、
素朴実在論が正しい、と確信しています。
たにちゅー 2007-06-29 (fri)
コメントありがとうございます.
身内以外からのコメントは珍しいので,ちょっとびっくりしましたが~.
>人の心は、この世界を造っているのと一つ同じ創造主である神+自然法則+エネルギー一体不可分の働きで出来ているので、この世界をそれが造られた通りに認識することが原理的に可能。
言葉の定義にも拠るとは思いますが,人間の認識自体も自然な現象の連鎖の中に組み込まれていると思っています.そういう意味では同感ですかね.
僕は,あまり実在論というものがよく分かってないんで,なんともですが~.
発生的認識論的視点がベースですので.
>困るという簡単な理由で、
>素朴実在論が正しい、と確信しています。
「困るという理由で」→「正しい」
だと,???ですが,
「困るという理由で」→「確信」
ならよく理解できます.
ではでは.