0165 経営戦略 理論史
学文社
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戦略論の系譜についての初歩テキスト
「組織は戦略に従う」チャンドラー
とか,言葉は知っているが,その文脈や具体的なところはよく分かっていない.気がした.及び,
組織構造とは環境適応の結果だと考えているのだが,そこのところに誰がどのように言及しているのか知りたくて,アマゾンで調べてると,
この本にそういうことが書いてありそうだったので読んでみた.
各章毎に時代を追って経営戦略論,組織論のメジャーどころを紹介してある.しかし,分担執筆のようで,
どうも重複部分や文章のうまさにばらつきがあり,もう一つなところも多かった.
しかし,いくらか,知らなかった事もあり良かった面もある.
ミンツバークの「創発的戦略」という考え方があるのだが,
日本企業の強みの分析から生まれた概念らしいのだが,
いわゆる現場の発想を上がくみ取って戦略の中心的な部分に据えていくという話がこの一つなのだが,
例えば,SONYのウォークマンなどが良い例だろうか?日本企業の現場の強さは三洋電機の「井植敏の告白」などでも,指摘されており,
それをどうプラスに結びつけられるかがマネジメントの資質とも言える.
しかし,例えば,SONYのAIBOのように,はじめに発想した現場の手を離れると,一人歩きし,
トップマネジメントのセンスで実行すると解釈の異なる戦略になってしまう例もある.(これは多分すごく多い.
知り合いの会社でも子会社の調子がいいからといって,親会社が軸足をそっちに移して来たら,バランスが悪くなったという話も・・・)
また,逆に現場のミスや「やってしまったこと」を戦略レベルに反映することで全体の船の舵取りがおかしくなる「戦術の戦略化」
の問題は名著「失敗の本質」などでも第二次大戦における日本軍の敗因の一つとして指摘されている.
やってしまったことの非を認めずに,
全体の調和を保つためにストーリー自体を書き換えていくことは悪人を作らない合議制ベースの日本の組織では良くあること.まあ,
それが戦略レベルに上がるだけ,上と下のコミュニケーションが確保できていると評価出来る面もあるが・・・.
そのほかにローワン,パウエルらの新制度派組織論の話が面白かった.組織構造が形成される要因は「効率」の他に「制度的環境」
があるというのだ.これ故に,同種の産業に携わる会社の構造は似たものになるという.
身近な例で言えば,大学だ.
大学の目的は教育に比重があったり,研究に比重があったり,産学連携に力を入れていたり,パテントで設けようとしていたり,
いろいろあるんだろうが,例えば役職は教授・准教授・講師・助教と画一的だ.そして,学部教授会,学科会議などの諸会議が張り付く.
これは,法律によって規定されている面や,社会から「そのような組織があるべき」という「制度的環境」
によって持たされている面がある.
他の組織でも,例えば「会計監査室」「IR部門」など,ある意味,社会からの期待に応える為の「ポーズ」として役職,
組織設計がなされる事がある.
これは,業務の「効率」という評価軸とは相容れない場合もある.
実際の組織は業務効率化の軸にのみ従うのではなく,制度的環境としてのシンボル体系に縛られながら,形成されるのである.
うーん,記号創発.



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