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0084 人間発達の認知科学ー精神のモジュール性を超えて

2007-07-08 (sun)|カテゴリー:

人間発達の認知科学―精神のモジュール性を超えて
A. カミロフ‐スミス Annette Karmiloff‐Smith 小島 康次 小林 好和

ミネルヴァ書房 (1997/04)

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発生的認識論ジャン・ピアジェのお弟子さん.カミロフ・
スミス
の著作です.

いらちな斜め読みで,結構,ハイスピードに読んでしまいましたが,

カナリ手強い本で御座いました.

ピアジェの理論は発達心理学の文脈では,その後の研究でボコボコに叩かれて来たらしいですが,
その叩き方は門外漢の私などから見ますと,巨人ピアジェが志し説いた理論のなかの枝葉をビシビシ刈り取り,切り取る感じに思われました.

特に,生得性を主張する他派対,生まれたときは白紙説を主張するピアジェ派という対立と,

あと,領域固有の発達と領域一般の発達という対立で言われますが,

脳の機能分化していることや,解剖学的な違い,及び様々な可塑性などを考えても,

どう考えても「どっちでもなく中道」
であるのは一般市民ならツッコミたくなるところでしょう.

カミロフ・スミスはピアジェの弟子でありながら,ピアジェ派を批判しつつ,領域固有のモジュール性
(機械学習や僕のシェマモデルでいう所のモジュール型学習とは全く関係ないです,)の生得性にも譲歩を求めるという,
なんとも学派の谷間で苦労しそうではあるが,常識的な立場を維持した議論を展開しています.

で,ピアジェの発達段階説は駄目らしい.

それは,もう研究でカナリ批判されていることだそうです.

まー,僕的には好きなんだけどなあ~.(学問を好き嫌いで論じる男)

 

しかし,まあ,ガキンチョを見てると,発達が一本の階段状に立ち上がっていくのではなく,
身体的な発達や言語的な発達などのパラレルな能力が相互に影響をあたえながら立ち上がってくるのは,実感として感じるので,
そうなんでしょう.

しかし,エポックメーキングな仕事は常に,時代を背景(地)とした図として鮮明に立ち上がってくるものであり,ピアジェが示した,
ボトムアップな認識機構の立ち上がりという描像は,西洋の哲学的伝統から言えば,
いくら叩かれても消えない鮮烈な光彩を放っていたのでは無いかと思います.

創発システム屋もおこしがちですが,トップダウンな秩序という従来的な見方に反抗する余りに,ボトムアップな構成を重視しすぎて,
全体的なバランスを見失ってしまうという事はあるのかもしれません.

ピアジェ本人は発達心理学者とよばれたがらずに,発生的認識論者と呼ばれたがったようですが,

やはり歴史の中に置くと,そちらの方の意義の方が大きいことを本人も意識されていたのでしょう.

 

しかし,発達心理学の議論は正に,以前「科学哲学入門」にて論じたように,

「言葉の意味がdefineしきれない!」

という葛藤を抱えるわけで,

例えば,「物の永続性」を子供がいつ獲得するかという議論で,考えさせられました.

12ヶ月頃を主張するピアジェの実験を批判する実験を別の研究者(スペルキー)がするんですが,

もちろん,別の実験を組み立てるわけです.

詳細は略しますが,その実験をもって「物の永続性」は4ヶ月で既に認識できるというんですね.

 

しかし,その実験とこの実験は,同じ「物の永続性」の認識について議論できているのか?

という疑問を感じたりもするわけです.

別の原理で別の現象だと解釈しても議論は全然成り立つような・・・・・・.

 

うんぬー.まあ,そんなこともあり,発達心理学の本は読んでもイマイチ,頭に入りません・・・・.

やー,だめっすねえ.

 

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