0138 リベラリズムの再構築
図書新聞
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かなり面白かった.
リベラリズムってなんやねん?
って事がまず私素人なんですけど,いわゆる「自由主義」ですね.
とはいえ,現代の自由主義は「社会の事も考えずに個人の幸せだけ考えて法を犯さない範囲で勝手にやる」程度のものに成り下がっている.
しかし,実はこの成り下がりは「必然的」なものですらあるのだ.
その必然性を既にアダム・スミスが指摘しているという点に驚いた.
投票権だけの自由・民主主義じゃ,みんな政治を他人事のように思う.
それはポリスのような2万人以下程度の国ならそうもならないのだが,それ以上の大都市・国だと自由主義は政治への無関心を生み出す.
これを「分業」「専門化」との関係で指摘できているのがアダム・スミスのすごいところだ.
驚き.
アダム・スミスっていったら「神の見えざる手」って事くらいしか高校じゃ習わないが,カナリの奥深さを感じた.(本書は特にアダム・
スミスの本って訳じゃまったくないんだけど・・・・)
分業というのは現代のキーワードなんですよ.
生後獲得的な分業能力が人間知能の優れた点であるということはもちろんなんですが,
どれだけ複雑な分業機構を構築するかと言うことが,ある種の環境適応能力でありながら
その複雑度がGDP・GNPに反映される.
自分で作るご飯を食べるより,全部外食した方がGDPは上がる.
しかし,その社会での分業を高度化する事が必ずしも「豊かさ」「社会の効率性」に結びつくのだろうか?
介護にしてもそうだ,(もっとも補助金でマーケット創出なんてミクロ経済学的にもどないやねんって気もする.),
子育てにしてももちろんそう.
社会的な分業を媒介する血液が貨幣な訳だが,この貨幣の上で見える経済だけ,分業の程度だけで,
測れる社会の成熟度はどこまでなのだろう.
分業機構の高度化が豊かさを生むというのは「経験則」に過ぎない(ハズ).
ところで,そのような貨幣経済は自由主義に支えられている.
起業家に求められる,ビジネスプランの構築はこの分業を社会システムの中で埋め込む隙間を見つけろって事なんだが,
成熟社会になればなるほど,シンプルなビジネスモデルが立ちにくくなってくる.
ソーシャル・アントレプレナーじゃないけど,何かしら起業に対するとらえ方も変わって行くべきなのだろう.
資源の枯渇もあいまって,消費促進型の起業ではなく,社会の外部不経済解消型の貢献が求められている・
あ,カナリ脱線しました.
本書では,ギリシャ時代のポリスなどの時代にも言及しつつ,リベラリズムに関係する論者をいろいろ回っていく.
アダム・スミス,ハイエク,マイケル・ポランニー・・・・・・
え?「暗黙知」「創発」のマイケル・ポランニー??
と思う方もいるかもしれないが,ポランニーも立派にリベラリズムや政治・経済関係の著作を多く持っているらしい・・・,
多分和訳はされていないが.
自由主義は思想としては非常に経済学に結びつきやすいようで,経済学者関係が多く出てきましたね.
経済学はある意味システム論だから,ポランニーが出てくるのもおかしくはない.
ちらりちらりと「自生的秩序」という概念が出てきたが,これはまさに複雑系だと「自己組織化」だよね.
とにかく,エッセンス豊富だったので,感想は書ききれないですが,余り知らなかった世界を示してくれたので面白かった.
アダム・スミス,ハイエク
および
シビック・ヒューマニズム
あたりのキーワードはもう少し踏み込みたいですね.
つれづれに・・・・・
ちなみにリベラリズムの出所は十字軍とイスラムの殺し合いから生まれた「宗教的寛容主義」らしい.
いまの「経済的自由主義」とはずいぶん違いますね.



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