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0152 アダム・スミス -「道徳感情論」と「国富論」の世界

2008-09-21 (sun)|カテゴリー:

アダム・スミス―「道徳感情論」と「国富論」の世界 (中公新書 1936)
堂目 卓生
中央公論新社
売り上げランキング: 46664
おすすめ度の平均: 4.5
3 アダムスミス試論
5 「道徳」と「経済」で一回ずつの「見えざる手」
5 価値ある素晴らしい本
5 今までなかったのが不思議な本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アダム・スミス!

この前読んだ「リベラリズムの再構築」
で紹介されていたアダム・スミスの思想がすごく気になったので,あらためてこんな本を読んでいました.

時代背景を含めアダム・スミスの二大著作,「道徳的感情論」と「国富論」について解説してありました.

かなり強い感銘をうけました.

アダム・スミス賢いデス!

アダム・スミスというと「神のみえざる手」という話ばかりが一人歩きしている感がありますが,
本人は特にその言葉をフィーチャーしているわけではないんですね.

「道徳的感情論」という言葉を聞くと,道徳の話かとおもうんですが,違います経済システムの話です.

アダム・スミスは個人の「同感」(いまの日本語では共感にちかい)という人間の心理からボトムアップに交換活動,
経済発展を説明していくのです.

アダム・スミスの面白いところは,嫉妬や虚栄心という,道徳家ならば「悪」と見なしてしまうようなところを,
結局はそれが財の配分に寄与して,社会全体の発展を促しているということを指摘しているところでしょう.その冷静な思考がいけている.

さらに,重要なのは,そのようにある種,悪とみられる行動を,正当化しているにもかかわらず,
独占やルール違反などについては社会悪として断じて許さないという考えがあるところ.

それもアダム・スミスの筋の通った理論の中で説明されています.

資本の蓄積を阻害するので,国家の浪費は悪だと説いています.

 

さて,もちろんアメリカ独立戦争のころの人なので,アダム・スミスの言説が全て今に当てはまる訳ではないのですが,アダム・
スミスは論理の飛躍を押さえつつ,上にも書いたように,あくまで「人間ダモノ~」
的な個々人の心理からボトムアップに理論をくみ上げているので,時代を経ても色あせない部分が多い.

ただ,アダム・スミスの仮定で現代社会でなりたたなくなりつつあるんじゃないか?と思うのは

「分業が生産性を向上させる」

というところではないかと思う.

様々な職種による分業がすすみ,個々人の専門化がコミュニティの崩壊やディスコミュニケーション,
専門家のやることを顧客が理解しきれないために起こるプリンシパル・エージェント問題など負の外部効果が顕在化してきているご時世,
分業を極限まで高度化させる事の難しさが出てきているように思う.

また,地球規模の分業は現在の食の不安みたいな事もおこしているわけで.

しかし,本書にはなかったけど,「リベラリズムの再構築」曰く,
アダム・スミスはそういうところにも警鐘をならしていたりもするそうで,もうちょっと知ってみたい気がするのでした.

急激にアダム・スミスが私の尊敬すべき過去の偉人ランキング上位に入ってきましたよ.マジデ.

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COMMENTS コメント

  1. yoshino 2008-09-24 (wed)

    アダムスミスと、冨山和彦の「頭から腐る」の「論理と情理」とがリンクしてますね。

  2. たにちゅー 2008-09-25 (thu)

    ううむ。
    そうよむか。
    経済を考えるのにアダムスミスはいいとおもうよ。
    優れた古典こそ朴訥とした真実がある

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